3DEXPERIENCE WORLD Japan 2020 役に立たない、人のじゃまをする存在を創る [GROOVE X 株式会社」 

約3年をかけて開発してきた新しいロボットは、人のために何かを手伝うような便利な機能をもってはいない

約3年の費用を投じ、長くヴェールに包まれて開発されてきた「LOVOT」。登場したのは、誰もが知る動物を模したロボットでも、人間の言葉をしゃべるロボットでも無かった。「LOVOT(ラボット)」は、「LOVE」と「ROBOTO」から付けられた名前だ。

エンジニアは、目標を持ってモノを造る。目標があるからモノを造ることができる。当たり前と言えば当たり前の話。だが、林氏は、「目標があれば、目標にめがけてモノがつくりやすい」という。LOVOTは、モノづくりが本当に「理屈に合っているのかどうか」を検証した証、と言えるかもしれない。

林氏の数あるインタビューを聞くと、「理屈に合っているもの」ではなく、わかっているようでわかっていない「理屈にあわない」モノが、将来、人間の存続や発達、成長に大きく関わってくることだろうことを感じ、今、それに関わる「要素」を追求し、開発していくことに大きな価値を見出しているように思える。犬や猫を飼っていない人は、人間と同じ部屋で動物を飼い、洋服を着せ、トリミングに通い、もしもの場合の保険加入、と「人間か?」と思うほど犬や猫に手間暇をかける人達を見て、普通じゃない、と思うかもしれない。この「かわいい」と思う気持ちには合理性は全く無いし、理屈ではないところが、おもしろい、「理屈にあわない」何か、なのである。この理屈ではないものが、人間の感情を左右する、というところが興味深いらしい。そう感じるようになったのも、エンジニアとして自動車やロボット開発に関わってきたからだと言う。「低燃費」「高加速」「ステアリング」生産性の高い機能をお客様に提供することを目標にモノづくりをしてきたのだが、人間、必ずしも生産性だけで満足するわけでは無いことも理解していた。

 

それにしても、1体30万円もするロボットがそう簡単に売れないだろう。そう思っている読者は、周りの社会変化と離れてかなり幸せな生活を送っている人達かもしれない。ペットが飼えない住宅事情。1人は寂しいが、生きた動物はちょっと無理、と一人暮らしの個人。今年4月の緊急事態宣言以降は、「自粛疲れ」のストレスを和らげる癒しの存在としてLOVOTの「レンタルキャンペーン」が実施されたほどである。

「LOVOT」は、役に立たないロボットではあるが、深層学習機能を使って、相手を認識し自ら行動を起こすことができる。また、認識のために搭載されているカメラの撮影した画像を使ったアプリの開発も順調だ。「人のために役立つロボット」の概念を、「人を幸せにするために、ロボットに何かしてあげる」という新しいバリューに変化させ、合理性を見出すリーダーは、バリューネットワークに何を見ているのだろうか。

GROOVE X 株式会社 代表取締役 林 要様がライブ出演する 【経営者パネルトーク(前編)】ニューノーマル時代に求められる企業像~オンライン化が加速するモノづくり は、3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2020  11月13日(金) 10:00 ~ です。
お見逃し無くご参加下さい。

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