「科学を社会とつなげたい」人工流れ星の会社、ALEのお話

SOLIDWORKSユーザーインタビュー。今月は、株式会社ALE岡島さんと、横井さんにお話を伺います。ALEは「人工の流れ星を流そう」という、たいへんなスケールの宇宙エンターテインメントをめざす期待感の高い事業を掲げておられるスタートアップ企業です。

 

流れ星の素となる粒(流星源)を人工衛星に搭載。位置・方向・速度をコントロールして放出し人工流れ星を発生させる(左)
世界初!人工流れ星を創る宇宙スタートアップ企業、ALE代表取締役/CEOの岡島礼奈氏(右)

「人工流れ星」ビジネスモデルの発想の原点?

岡島CEOと流れ星のかかわりは、その学生時代に遡ります。天文学を研究していた学生だった岡島CEO。「基礎科学の発展に今までの公的資金ありきではなく、科学にお金が廻るよう新しい道をつくり、科学を盛り上げることができないのだろうか。」根底にずっと課題意識を持ち続けていた岡島CEO。これまでの日本では、基礎科学のジャンルが過小評価されがちだったといいます。科学を志してきた一人として「科学を社会とつなげたい」そしてその想いは、現在は同社の掲げるミッション「科学を社会につなぎ宇宙を文化圏にする」につながっていきます。これからの次世代を支える一人でも多くの若者、子ども達に宇宙を好きになってもらいたい。科学に興味をもってもらいたい。そんな想いを岡島CEOは長らく強く持ち続けてきました。

「流れ星をつくる!?」

流れ星を流すことができたら。たくさんの人がたのしんでくれたら。そのことをきっかけに子ども達が宇宙に興味を持ってくれるのではないか。それは広い意味での科学発展への貢献になるのでは?と考えました。
一つの契機は2001年学部の仲間たちとしし座流星群を見に行きました。その時に「流れ星は作れるのではないか」と着想を得た岡島CEOは、企業で働きながらも「想い」を温め続けます。会社設立は2011年岡島CEOたった一人で起業。2014年頃から資金調達等を開始し、現在は40名のスタートアップ企業に成長し、その半数はエンジニアです。そして今一番メディアに注目される宇宙スタートアップ企業となったのです。

流れ星がビジネスモデルに!?

見ようと思ってもなかなか見ることができない流れ星。「流れ星は美しい、そして、たのしい、感動する。」岡島CEOはこう言います。「こんなにいいものが売れない訳がない」と。誰しもみんなぜったいに見たいはず。と、強く確信していたと。「人工流れ星」を流すサービスを誰が買うとまでは考えてはいなかったのですが。けれどそんな「みんなが見たいものがビジネスにならないわけがない。」「それらを見ることによって科学的な解明、科学への貢献があること、これはとても大事なこと。これなら絶対にニーズがあるはず」という強い確信がありました。そして2010年はやぶさ1号の帰還の時。テレビで放映をみましたが、ものすごいインパクトがありました。はやぶさや流れ星をみた子どもは宇宙と科学に興味を持ってくれる。そういう意味でも「流れ星」を流してみせることは非常に意義がある。流れ星はまさに人の心をぎゅっと掴むコンテンツなのです。

宇宙とエンタメ?!って結び付くのか

人工流れ星は宇宙業界初の試み。私たちは初めての宇宙スタートアップ企業です。長く宇宙関係の研究開発に携わってきた古参の研究者の中では、宇宙をエンタメに使うなんてふざけている。という意見や捉え方があるのもまた事実です。私たちALEでは、エンタメと宇宙を結びつけることは、科学にひろく関心・興味をもってもらうためのサイエンスアートリーチの一環だと捉えています。「エンターテインメントは難しいものの敷居をさげて多くの人にその大切さを伝えていく非常にすぐれた表現方法」なのです。ここはとても大事なことなのです。
エンタメなんてと先入観のある方に対しても、科学への想い、流れ星の意義、流れ星が届けられる科学的な貢献、宇宙をきちんと利用していきたいのだというその意義を、説明を重ね、丁寧に伝えることでこれまで理解を得てきました。エンターテインメントの手法は、宇宙をより広く知ってもらう、興味関心を引き付けるには非常に役に立つと。その役割等についても徐々に理解を得られるようになりました。

岡島CEOは当初人前で話をすることやプレゼンテーションをすることは決して得意ではなかったといいます。どれだけの想い、ビジョンを持っているか。そしてなぜこれをやりたいのか、流れ星を流すことによってみえる未来、自分が想っていることを、本音で伝えられるとわかってもらえる、という経験も積んできました。私もALEも今までもこれからもいろいろな人に助けられているのです。(岡島CEO)

100年後200年後にどんな世界になっているか。今年や1年先のことではなく、私たちが見ている世界観は大変にスパンが長いのです。今後ALEの仲間が増えていくことになりますが、好奇心旺盛なメンバー、さらに視座の高い方に集まっていただきたいと思っています。われわれはスタートアップ企業。ビジョンに共感して一緒に世界観をつくっていきたいと思っている人があつまっている会社なのです。SOLIDWORKSを使いこなせるエキスパートもぜひ増員していきたいと思っています。

11月16日(火)から開催される3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2021 (事前登録制オンラインイベント 参加無料)では、「科学を社会につなぎ宇宙を文化圏に ~人工流れ星への挑戦~」と題し、岡島CEOに、ALEの人工流れ星事業、また今後の展開について熱く語っていただきます。ご登録がまだの方はぜひ、下のバナーをクリック!今すぐ、参加ご登録をお願いいたします。

SOLIDWORKSに今後求めるもの

設計チームを率いるエンジニアの横井さん

ここからはエンジニアの横井さんにお話を伺います。1,2号機の打ち上げまではベンチャー企業ですので、各エキスパートが集まってきて衛星を仕上げていく。そんなプロジェクトの進め方でした。今までの設計の進め方は、ある人はSOLIDWORKSで設計。ある人はiCADで描く。モデルデータはファイル共有ソフトでやり取りしCADの付帯情報を活かせずに効率が悪かったため、まずは設計ツールをSOLIDWORKSに統一しました。現在はデータ管理までをスムーズに実施できる環境を整えました。ツールの統一でかなり効率があがりました。SOLIDWORKSのよい点は、どのCADを使っていた人でもすっと入れる敷居の低さ。機能が安定していてオールマイティに便利。SOLIDWORKSは特に苦労もなく導入できました。弊社の開発設計は、宇宙機としてはありえない程にからくり仕掛け、つまり機構ものばかり。もっと気軽にデザインCAEやMotionを試したいのですが、改良希望点をあげるとしたら、ベンチャー企業にはやや手を出しずらい製品構成ラインナップだけです。今後はCloud製品でも解析を試したいというニーズは高いです。

1号機は、JAXA革新的技術実証プログラムに搭載し、打ち上げられた。

5年後にめざす姿は?

2019年に人工流れ星を流すための衛星1号機/2号機の打ち上げを実施しました。しかし初めての流れ星を流す予定だった2号機は不具合が発覚し断念。現在は2023年打ち上げ予定の3号機開発に邁進しています。これにより文字通り会社が軌道に乗ることになるため気合を入れて日々の開発設計を行っています。2023年打ち上げ、それから3年後の2026年には4,5,6号機も打ちあがっているはずです。新たなニーズなどもでてきていてそこからどうやってより良い製品を作っていくか、どう進化していけるかが技術の方で見ていかなければならない課題になるだろうと認識しています。それに向けてよりタフな開発ができるようになっていたいですね。

ALEの事業形態は3つ。
・宇宙エンターテインメント
・大気データ取得
・宇宙デブリ対策

2023年に流れ星を流すまでに、解決しなければならない課題はたくさんあります。打ち上げは必ず成功させなければなりません。今、地上においてどれだけ失敗できるか。その日までに実験で試行錯誤し、廻し切る必要があると思っています。5年後には流れ星も流れているはず。そして気候変動メカニズム解明を目指す大気データ取得の事業や、デブリ回収ビジネスもその頃には立ち上がっている時期。ALEがみているその先は、宇宙開発で得られたさまざまな知見を地球の生活にフィードバックし、科学を発展させる少し先の明るい未来につながる事業を拡大していきます。

🄫2021 ALE Co., Ltd

 

来月も、PDM/解析/新製品開発をテーマにSOLIDWORKSユーザーさまにInterviewを行います。お楽しみに!

製品に関するお問い合わせは、お気軽にこちらまでどうぞ。3DEXPERIENCE Worksででできること「3分動画」がこちらからご覧になれます。

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