3DEXPERIENCE WORLD Japan 2020 むこうが空ならこっちは海「株式会社 浜野製作所」 

2009年、東京下町の町工場が力を合わせ、8000メートルの深海を目指す深海探査艇「江戸っ子1号」プロジェクトがスタートした

東大阪の町工場が人工衛星を打ち上げたというニュースを見て、東京下町の町工場でも何か新しいことができないか。向こうが空なら海に行こう。遠隔操作型の探査機をつくりたい。しかも世界で最も深いマリアナ海溝の水深1万1000mに行きたい。でも金がない。
これもまたノンフィクションドラマの始まりである。

技術支援を求めてJAMSTEC(海洋研究開発機構)本部に出かける。海底探査の各種機器の部品を見ながら、「技術的には努力すれば作れるレベル。なぜ海外製品の寄せ集めで、日本製のモノがないのか」と、賛同メンバーは怒る。海底探査機は、量産品ではない。大手企業が手を出さない市場で、一品モノは町工場の得意技。絶対にチャンスがある。このプロジェクトを始め、電気自動車プロジェクト「HOKUSAI」など、本業とは異なる取り組みに参画している浜野氏。浜野氏が、これらの取り組みに参加するのは、人材教育の一環ということらしい。自分の目で見て、自分の手足を動かし、さまざまな業界、業種の人とモノづくりをすることで、発見や気づきがあり、自身を成長させるのだそうだ。浜野氏曰く、セミナーや座学での勉強は、受け身になりがちで、忘れてしまいやすい、そうである。耳の痛い話ではある。そんな浜野氏は、2014年に、ものづくりの基盤技術集積や異業種交流を目的とした「Garage Sumida」もオープンした。それこそ簡単に真似できるものではない革新的な取り組みである。

経営者として、事業承継の問題が大きいと語る浜野氏。浜野氏の経営理念は、「『おもてなしの心』を常に持ってお客様・スタッフ・地域に感謝・還元し、夢(自己実現)と希望と誇りを持った活力ある企業を目指そう!」というもの。日本には町工場がある、と改めて思い知らされる。
日本から「モノづくりの元気」を浜野氏と共に発信したい。そんな活力に一瞬でも触れられる機会は貴重だ。

 

株式会社 浜野製作所 代表取締役 浜野 慶一様がライブ出演する 【経営者パネルトーク(後編)】ニューノーマル時代に求められる企業像~オンライン化が加速するモノづくり は、3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2020  11月13日(金) 15:30 ~ です。

 

<3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2020 経営者パネルトーク>
地球を救うために宇宙に想いを馳せる 「株式会社アストロスケール」
役に立たない、人のじゃまをする存在を創る 「GROOVE X 株式会社」
イノベーションで新領域を開拓する 「CYBERDYNE 株式会社」
原点は日本を代表する”金属加工の燕三条”「株式会社スノーピーク」
むこうが空ならこっちは海「株式会社 浜野製作所」
3歳にして人類の限界を感じ、中学生で生涯の研究テーマを決めた 「株式会社メルティンMMI」
切削技術を磨き航空宇宙業界へ進出。トゥール・ビヨンやレコードプレーヤーも開発する、”研究開発型”町工場「株式会社由紀精密」

 

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