あなたは、リアル派?バーチャル派?

現実の3次元?女子より、非のうちどころの無いアニメやマンガの世界の二次元女子にゾッコン。そんな話題で盛り上がったこともあった。少し遅れて2次元男子も登場するわけだが、パーフェクト感は、実在のものより、バーチャルなものの方が演出しやすい、ということか。コロナ禍で、注目を集めているのは、eスポーツ。中でも、バーチャルサイクリングは注目を浴びている。自転車のプロ選手らが参加するバーチャルレースに自分を参加させたり、世界中のユーザーとオンラインでつながって、同じコースをみんなで一斉に走ることができる仕組みもあるらしい。だが、この火付け役となったのは、バーチャルなゲームに「室内サイクルトレーナー」を組み合わせたリアルだ。室内サイクルトレーナー自体は、どちらかと言えば、使用する人が限られた小さな市場の製品であり、その多くがほぼ機械的。手動で負荷を変え、ひたすらペダルをこぐだけの純粋なリアルトレーニング機器なのである。こんな機械を誰もが楽しめるスマートな道具にしたのは、いわゆるイノベーターなのだろうか。

 

そんなリアルトレーニング機器が、スマートなトレーナーになったのだが、彼らが強調するのは、サイクルトレーナーの「高慣性フライホイール」テクノロジーだ。回転機構の回転速度を安定させる、回転の運動エネルギーを利用する、角加速度を与えた際の反力を利用する、など、用途も様々な、まさに「機械要素」である。従来型のサイクルトレーナーは、自転車の後輪に取り付けるタイプ、自転車をそのまま乗せるタイプなど、いくつか種類はあった。が、見た目にもスマートではないし、前述のように、負荷は自分で変化させなければならなくて面倒。変化もない殺風景な室内空間で、ただただ辛い時間を過ごすだけの機械だ。それに比べ、スマートサイクルトレーナーは、ライディング中のデータ収集センサー、ゲームソフトまたはGPSとの連動、傾斜角度変化、さらにはファンで風を送るなど、リアルなライディング感覚が得られることが最大の特徴。ゲームと連動することにより、辛いトレーニングにも楽しく取り組める、というサイクルトレーナーに留まらないトレーニング機器市場のさらなる開拓に成功したということだろう。

 

一時流行った「バーチャル呑み会」を今でも継続している人は少ない。参加者はいつも同じ、移動できず自宅から参加。「バーチャル」とは、現実を伴わないもの、仮想的なもの、であって欲しいのに、残念ながら「バーチャル呑み会」には、リアルなものしか存在しない。だったらリアルな呑み会の方がよい、というわけである。お客様との繋がりが重要な要素だった製品販売は、製品の良さを物理的に試していただくことによって販売実績を重ねてきた。イベントの中止を余儀なくされ、実演販売の拡大は期待できない。一方で、お客様は体験を希望している。リアルが届けられないなら、バーチャルという手段を加えない手はない。なかなか現実から離れることができないのは、リアル派なエンジニアなのか。

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