SOLIDWORKS認定試験CSWAを活用したカリキュラムについて

長野県内2番目の工科短大、長野県南信工科短期大学校では、SOLIDWORKSを授業にフル活用いただいています。今年も、授業の中でSOLIDWORKSの認定試験を取り入れていただくことができました。全国の教育機関で大勢の学生さんたちがSOLIDWORKSを日々学んでいます。小さな学校だからこそできる事にチャレンジされていらっしゃいます。今回は、同校の中島准教授に、SOLIDWORKSJapanBlogに寄稿いただきました。

 

長野県南信工科短期大学校
機械・生産技術科
准教授 中島一雄

 

■長野県南信工科短期大学校 機械・生産技術科

本校は、長野県で2番目の工科短大として、平成28年4月に開校した長野県立の工業系短期大学校です。地域の要望に応えて長野県が設置した学校で、機械・生産技術科と電気・制御技術科の2科から成る小さな学校です。このコンパクトな学校だからこそ、以下のようなさまざまな新しい取組が柔軟に展開できると考えています。
産業技術の革新が急速に進む昨今、この環境変化に柔軟に対応できる知識と技術・技能を備えた人材を社会は求めています。長野県南信工科短期大学校では、ものづくりに関する専門知識と実践技術を身につけた、これからの産業を支えていく「ものづくりのスペシャリスト」の育成を目指しています。

【1】機械・生産技術科では、機械の基礎から生産システム技術(高精度・高品質機械加工、機械設計および制御技術等)を学び、高度化・多様化するものづくりに対応した実践技術者の育成しています。

【2】 2年間のカリキュラムの初期(入学3か月後)からSOLIDWORKSの基本操作を習得していきます。これは従来の教育機関のように3次元CADを応用技術として教えるのではなく、3次元CADから始まるさまざまな技術を活用するための基本技術として位置付けているためです。

【3】日本版Industry4.0として経済産業省が提唱する「Connected Industries」の【ものづくり・ロボティクス】分科会において検討を進める論点に、”ものづくりデジタル人材の育成”があります。このデジタル化が進む産業界に対応すべく、3次元CADによるモデリングを起点とするさまざまな技術を学んでいます。

カリキュラムへのCSWAの導入

昨年度より、機械・生産技術科の1年生がカリキュラムの中で、全員がSOLIDWORKSの初級認定試験CSWA(Certified SOLIDWORKS Associate)を受験しています。本校では、SOLIDWORKS教育版ネットワークライセンスを100 ライセンス所有し、校内ネットワークに接続されるほとんどのPCでSOLIDWORKSが使用可能な環境を整備しています。学生は、CSWAなどの認定試験を無償で受験ができます。
この取組は、現在機械・生産技術科においてSOLIDWORKS基本操作の担当講師である株式会社飯沼ゲージ製作所の土橋美博先生からご提案いただきました。学生に対しても熱意あるご指導をいただいております。
この2年間のCSWAの学生の受験者数は37名で、最終的な合格率は100%です。(図1,2)

図1 CSWA受験時の様子みなさん真剣そのもの

 

図2 今年度の合格者のみなさん

CSWAを授業に取り入れることにより、学生は自発的にSOLIDWORKSの基本操作を習得するようになった、と感じています。そのため、後の授業への展開がスムーズになり、各授業の到達点が高まっていることを実感しています。また、SOLIDWORKSは直感的なユーザーインターフェースで、チュートリアルも充実しているため、基本を学べば、学生は必要な機能を自ら学ぶこともできます。

 

SOLIDWORKSを活用するカリキュラム

1年次早々にSOLIDWORKSの基本操作を覚えることにより、以下の特徴あるカリキュラムが可能になっています。

  • 「総合課題(1年次)」、「地域との共同実習(2年次)」など
    本校では1年次に異なる技術を学ぶ他科の学生同士がチームとなり、ものづくりを体験する総合課題を実施しています。その中でCSWA受験後の機械・生産技術科1年生は、企画段階から自然とSOLIDWORKSを活用して学生同士のミーティングを行い、設計等を担当しています。また、2年次の「地域との共同実習」とは、地域の企業や、団体様から様々なテーマをご提案いただき、本校の実習の中で学生が取り組んでいくという地域密着型の実習です。2年生はSOLIDWORKSをはじめ、多くのツールを使用できるので、学生が自分たちのアイデアを自身で形にできます。その他、「CAM/3軸・5軸マシニングセンタ実習」や「卒業研究」などの授業でもSOLIDWORKSは活用されています。
  • 学生自身が自由に3Dプリンタを活用
    本校は造形方法が異なる樹脂製3Dプリンタを5台所有しており、教員の許可があれば、学生が自由に使用できる環境となっています。実習では学生自身がSOLIDWORKSのモデリングをし、試作や部品製作の造形を自分たちで行うなど、授業のさまざまな場面で活用されています。
  • デジタルモールドの教育への導入
    以前にこちらのSOLIDWORKS blogにおいて紹介されておりました3Dプリント樹脂型「デジタルモールド(R) ※」は、同じ長野県に拠点を置く有限会社スワニーが開発した特許技術であり、設計や成形技術を学ぶための失敗できる金型としても、とても有効な技術です。同社代表取締役の橋爪良博様のご厚意により、本校の教育と研究に取り入れています。(図3)

図3 デジタルモールドの授業の様子

今現在、このデジタルモールドを学べる教育機関は私たち、南信工科短期大学校だけ、です。この技術は3次元CAD無しでは成立しない技術で、本校の機械・生産技術科2年生の学生は、SOLIDWORKS でモデリングし、3Dプリンタによる樹脂型製作と射出成形機でのプラスチック成形の技術を学んでいます。(※デジタルモールドは、有限会社スワニーの登録商標)

  • CAE(パスタブリッジの課題)
    今年度より土橋美博先生に機械・生産技術科2年生のCAEの授業もご担当いただき、CAEの基礎を習得した後の課題として、パスタブリッジの課題を実施いただきました。まず、2年生が数チームに分かれ、協力しながらSOLIDWORKSを活用してパスタブリッジを設計し、CAEによる強度解析を行いました。その後、設計したパスタブリッジを実際に製作して、強度を計測し、解析結果との比較・検証を行いました。(図4)

図4 CAEパスタブリッジ課題の授業の様子

■まとめ

カリキュラムの早期より、SOLIDWORKSの基本を学び、さらにCSWA受験を取り入れることにより、学生はまるでペンを持つように、自然にさまざまな場面でSOLIDWORKSを利用しています。チームワークが必要になる「総合課題」や「地域との共同実習」などでは、学生が自分たちのアイデアをモデリングすることで、より具体的に共有化できています。本校では、CAE、CAM、3Dプリンタや、デジタルモールドなどの最新応用技術まで、さまざまなデジタルツールを活用したものづくりを習得できる環境を提供しています。
教員として、これらを学んだ学生たちが、地域で活躍し、将来、日本から世界へと広く活躍の場を広げていってくれることを願っています。(中島一雄)

 

■Certified SOLIDWORKS Associateとは
最低 6~9か月の SOLIDWORKS の使用経験と、工学の基礎と実践的な知識を持つ教職員の方々と、学生のみなさんを対象としています。今日の競争の激しい就職市場で優位に立つためのスキルのひとつとして活用することが可能です。SOLIDWORKS の専門知識を持っていることの証明であり、企業が求める最先端のスキルに匹敵します。http://www.solidworks.co.jp/sw/education/27612_JPN_HTML.htm

 

■長野県南信工科短期大学校
平成28年4月に開校した長野県立の工業系短期大学校。「実践力の重視」「少人数指導」「カリキュラムの充実」「課外活動の充実」を特徴とし、ものづくりに関する専門知識と実践技術を身につけた、これからの長野県の産業を支えていく「ものづくりのスペシャリスト」育成を特徴としています。
所在地:〒399-4511 長野県上伊那郡南箕輪村 8304-190
ウェブサイト:http://www.nanshinkotan.ac.jp/

SOLIDWORKS Japan

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