ジャスト イン ハウス

オリンピックもいよいよ今年、お正月休みもあけ、2020年の始まりを迎えたころには、中国武漢は、今世界が直面している「忍び寄る恐怖」と戦っていたのだろう。それから既に、3か月が過ぎ、教訓が生かされていない世界の実態が悲しい。70年も前に発生した伝染病との闘いを描いた書籍はもちろんのこと、感染病の脅威を後世に残すための本、映画は、数多い。それらの多くの最後には、必ず、「この悲劇を繰り返すな」というメッセージが残されていたはずなのに、人間というものは、罪深い。

 

英語圏の人によれば、今の状況が、まさに「ただただ家にいろ(ジャスト イン ハウス)」という表現にぴったりだそうだ。製造業においても、辛い状況にあろう。部品の在庫を持つべきか、随時調達で乗り切るべきかの議論を何度も繰り返し、「必要なものを、必要な時に、必要な量」を製造してきたのに、たった1つのデマ情報で、あっという間に提供する量に限界を見る。国境が閉鎖される状態ともなると、世界を移動する部品や製品は動かず、サプライチェーンは機能しない。製造業に関わる全てのプロセスが打撃を受けているのは当然ではあるが、SOLIDWORKSをご使用いただいているお客様業務に最も関係の深い「設計・開発」業務も、また、大変な試練の時を迎えていると拝察する。試作ができない、試験ができない、そして設計を前に進められない、の「ないないづくし」。ジャスト イン ハウス は、日訳すれば、「しのげ」と言っているのと同じだ。

 

この予測不能な状況下で業務に取り組む、君子である読者の皆様に釈迦に説法のような言葉は控えたい。「大和魂」なる精神が、この見えない恐怖を追い払えるのであれば、誰もが頑張るであろう。が、そんな精神論が通じる相手でもない。この先、また非常事態は必ずやってくる。働き方と働く場所が代わっても、支障のない強い基盤が欲しい。明日のことを考えたい時、世界中のYouTuberが、実に多様な学習コンテンツを次々と掲載してくれているのを見るととても頼もしく思う。何気ない動画に、何かヒントがあるかもしれない。そんなひらめきは、ジャスト イン ハウス。家に留まり、少しでもゆとりのある時間に生まれる。未来のために、今の、この時間を大切に過ごしていただきたい。

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