「どうしたらできるか一緒に考える」これが浜野スピリット

「SOLIDWORKSユーザーInterview」今月は浜野製作所・内田博也さんにご登場いただきます。内田さんは、広島県の呉工業高等専門学校のご出身で、現在は東京でものづくり企業の集積する墨田区・八広の浜野製作所にお勤めのSOLIDWORKSユーザーです。

浜野スピリット!

NHKBSプレミアム「魔改造の夜」で優勝した食パン飛ばし機と、爆走ワンちゃん!

浜野製作所は、プレス金型・板金・機械加工まで幅広く対応するすみだの町工場。同社は町工場・中小企業という言葉だけでは説明し尽くせない会社でもある。数々のものづくりスタートアップ企業の支援に始まり、複数の大学との連携プロジェクト、そしてGarage Sumida 注1)の運営、いわゆる町工場の一般的な概念から飛び出し、ありとあらゆる点において活躍するめざましい”突き抜けた”中小企業である。同社はいわゆる中小製造業としての製造加工部門以外に、約7年前から設計開発部隊をつくり現在は5名体制。さまざまな顧客からの相談を受けたり、同社内の新しいものづくり支援施設「Garage Sumida」に訪れる方々との製品開発・協業においても協力を惜しまない。同社の開発プロジェクトは、通常メイン担当者1名が案件を担当して常時2,3名体制の臨時編成のチーム設計で業務を進めることが多い。大事なのはスピード感だ。プロジェクト単位でフレキシブルにチームを組んで開発を前進させることができる体制を取る。「とにかくやる、どうしたらできるかを考える」これが同社のモットーでもある。浜野の社員さんはとにかく元気でエネルギッシュなのである。

内田さん、浜野製作所と出逢う

天井まで明るく3Sも徹底されている工場内

高専に入るずっと前からテレビでロボコンを見知っていた内田さん。ロボコン活動をするために高専へ入学したといっても決して過言ではなかった。考えることと、手を動かすことが大好きで、高専時代5年間は夏休みも休まず、どっぷりとロボコン活動にはまった学生時代だった。専科2年、その後もOBとして現在もロボコン交流会等支援活動にも携わる。今もリアルに熱いロボコンOBなのだ。そんな内田さんが浜野製作所と出逢ったのは必然だった。浜野製作所にはインターンとして来社。前後して浜野製作所が支援する次世代電動車椅子スタートアップ「WHILL」にも赴いて、その開発初期ロット製品の組み上げに活躍する。WHILLの電動車椅子の量産にも一役買った。高専時代ロボコン活動で、日夜ものづくりどっぷりの日々を過ごしてきた内田さんにとっては、インターンシップ以上に、大好きなものづくりに没頭できる日々だった。「もちろん当時は夢中でしたが今思うと苦しいこともありました(笑)」(内田さん)当時Garage Sumidaを立ち上げたばかりの浜野製作所にとっても、内田さんは、即戦力として新人らしからぬ活躍をみせた。

 

SOLIDWORKSに期待すること

設計開発部のオフィスは、本社工場3Fの明るいオフィス

学生時代は周りでもSOLIDWORKSを使っているロボコンチームは多かった。SOLIDWORKSの良さはそのとっつきやすさ。改めて学ぼうと思わなくてもマウス操作しているうちに自己流だがスケッチして形をつくることができる。今思えば学生時代には使っている程度。設計業務で本格的にSOLIDWORKSを使用しはじめたのは浜野に入社した6年前から。どんな機能が増えたらうれしいかきいてみた。好きな機能は「色分けできるところ。」その色分けをグループ分けができるとさらに良いのにと思うことがある。設計途上で、ここは設計済。ここは作業中。これがわかるだけでも、設計中、チーム設計時の確認項目が減り、作業効率の向上につながるはずという。

重要なのは「コラボレーション」

客先や、Garage Sumidaへ来訪した相談者からSOLIDWORKSデータを受け取ることも多い。その時にどういう手段でデータのやり取りするのかを伺った。客先が大手企業だとインフラを指定されることも多いが、一般的なGoogleドライブやe-mail添付でのやり取りも多い。その場合、SOLIDWORKSデータと3DPDFを添付すると、必然的にデータ量は多い。複数社(者)で設計プロジェクトの進捗の連携が必要な開発案件等の場合には、今後、SOLIDWORKS社が推奨していくコラボレーション機能が活躍するタイミングもそう遠くはないのではないか。3DCADを持たないユーザーが3Dデータを閲覧できるメリットは大きいはずだ。

 

これからの「浜野製作所」

製造と開発設計部隊との距離が近いのが同社のスピードの秘密。墨田の地にこだわり現在社屋は4棟。この中にスタートアップ企業が入居したり、デジタルファブリケーションの施設がある。 Photo:香川賢志

同社がいわゆる下請け、受託加工以外にも業務の幅を拡げはじめたのはおおよそ9年前。そこから遡ること20年。1993年に代表取締役社長に浜野慶一氏が就任。そこからの28年あまり。浜野製作所は今もこれからも走り続けている。浜野社長のストーリーはぜひこちらの書籍をご覧いただきたい。毎年数名の新卒、中途採用の社員を加え現在スタッフは総勢50名。3年前には、天皇陛下(現上皇陛下)も浜野製作所に見学にいらしたのだという。同社のエントランスにはその記念碑もある。例年、地域の小中学生から学生・社会人までの大勢がカッコいい町工場”浜野製作所”を見学に訪れる。コロナ禍が落ち着いたら、ぜひみなさまも、東京すみだの浜野製作所・Garage Sumidaを訪問していただきたいと思う。

 

同社本社工場棟2FGarageSumida(インキュベーション施設)の一角では、大学の実証実験で現在ハーブが育成中?!

 

 

注記*1) ガレージスミダ/Garage Sumida
Garage Sumidaは、2014年4月にオープンしたものづくりの総合支援施設。最大の特徴は町工場との連携。同社の職人による製品開発のアドバイスを受けながら開発試作を進めることができるものづくり支援/インキュベーション施設。「平成25(2013)年度墨田区新ものづくり創出拠点整備補助金」採択事業としてスタート。これまでにオリィ研究所、WHILL等のスタートアップ企業が同社とのコラボレーションで世の中にあたらしい価値をもつ開発製品を送り出している。

 

 

来月も、PDM/解析をテーマにSOLIDWORKSユーザーさまにInterviewを行います。お楽しみに!

製品に関するお問い合わせは、お気軽にこちらまでどうぞ。

3DEXPERIENCE Worksででできること「3分動画」がこちらからご覧になれます。

SOLIDWORKS

SOLIDWORKS

Dassault Systemes SOLIDWORKS Corp.は、データの作成、シミュレーション、管理、テクニカル コミュニケーション、電気設計、ビジュアリゼーション、コラボレーションを行い、エンジニアリング リソースの革新と生産性を達成するための完成されたソリューションを提供しています。