機械業界に「サービスとしての製品」を投じる

2次元CADでは、複雑な機器レイアウトができない。そこで、発注した部品が届いてから現物レイア ウトしていた。この方法では手戻りが多く、期間も長くかかりすぎる。沖縄県那覇市に本社を置く極東建設株式会社は、この課題にどう取り組んだのか。

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沖縄県那覇市に本社を置く極東建設株式会社は、水中施工 会社として、港湾・漁港などの土木工事を行ってきた。 1971年岡山で創業、1972年の本土復帰で岸壁・防波堤工 事が増加した沖縄へ本社を移転。社員は現在もほぼ全員が潜水士免許を持つ。 沖縄の海は荒れる。工事の途中で海が荒れると、時間をかけた石組みは崩 れてしまい、最初からやり直すことになる。作業効率を高めて施工時間を短くしたい、海が荒れる前に施工完了したいという欲求が強いのは当たり前のことだった。作業効率化と潜水士の安全性確保のために、水中バックホウ(油圧ショベルの日本語名称)の開発を決断したのは、今は亡き創業者だ。時代と共に、バックホウも進化させ、1台で水中・水陸両方に対応できる機種も開発した。2011年7月には、新しい水中作業機および水中作業 方法について、共同特許をも取得している。この水中バックホウの製作が実にユニークだ。まず、陸上用バックホウを建機メーカーから 購入することから始まる。これを分解し、利用できる部品は流用しつつ、独自に開発した部品と組み合わせもする。設計には、土木用2次元CAD「BV-CAD」を使用してきた。 さまざまな機器を搭載するスペースを、入り組んだ形状のなかで的確にレイアウトするのは大変むずかしく、図面を見てもわからない。そのため結局、現物を機器に搭載して目視確認して いた。つまり、発注した部品の到着を何週間も待ち、商品が届いてからレイアウトせざるを得なかったのである。届いた精密機と 筐体が合わなくて四苦八苦。納期と手戻 りという2つのロスを小さくするには、設計の3次元化が必須 であると考え、SOLIDWORKSの導入に至った。また、SOLIDWORKSという3次元CADを知った経緯もユニーク。教育現場である「沖縄高専」に尋ね、「若手を育成するための教材として使っている」との話に導入は即決だったらしい。SOLIDWORKSを導入したことによって、レイアウト確認、干渉チェック、安全チェックを事前に行えることにより予想以上の効率化を図ることに成功。

 

https://www.solidworks.com/ja/node/6841

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