大阪府立茨木工科高等学校の取組み 第2弾

5月にブログでご紹介した大阪府立茨木工科高等学校の教育事例の第2弾として、木本教諭よりご紹介いただきます。

本校のCAD室には、ねじジャッキの実物が長らく見本として飾られていました(写真左)。授業担当者が長年生徒にわかりやすい授業を目指し「機械設計から手描き製図そしてCADへ」このねじジャッキの機構モデルも本校では活躍してきたものなのです。機械系専門科目の授業時間数短縮により、残念ながらただ飾られているだけだったのこのモデルを今回、SOLIDWORKSの力を借りて、スケッチ製図からパーツモデルを作製して、STLファイルに変換して3Dプリンターで同一形状を作製してみることにしました。

左下の写真の青のパーツと黒のパーツは実物モデル写真を見てわかるように、過去に紛失してしまったと考えられる大切なパーツです。SOLIDWORKSで他の部品をアセンブリして、多分このような部品でラチェットが働きながら上下運動するだろうと仮定して作製したてみした。また、右下の紫のパーツは実際には、角ねじが切られているモデルですが、3Dプリンターでの造形が困難なため、今回は単純な三角ねじに変更した。サポート材を必要とせず、容易にねじ部は作ることができました。

実際にノギスなどの測定工具で実物をスケッチして、プラスティックではあるがこのようなクラッシックな機構モデルをSOLIDWORKSでモデリングして、3Dプリンターで造形すると動きを理解することにつながり、生徒にはわかりやすいと評判です。

下の組立図は、本校の図書館の機械系コーナーに蔵書されていた「万力の製作」という、一冊の本から抜粋したものです。購入してから時間が経過したように白かった紙が茶色になってしまった一冊の本の最終ページを見ると、昭和53年12月発行と書かれていて、なんと今から約40年前のもので、現在55歳ぐらいの方々が読んで勉強された一冊の本にたまたま出会ったのです。組立図以外に、部品図もすべてあり、鋳造方法やそのあとの切削加工の工程表、仕上げ加工ととても丁寧に書かれていて、これを教材としてSOLIDWORKSでモデリングして3Dプリンターで実物大の大きさで造形しました。

万力のあご部とテーブルに固定する部分に、今回初めてのチャレンジとしてABS樹脂を用いてみました。サポート材に透明のPLA樹脂を用いて、2ヘッドで造形しました。

ねじ部はM10とM6と小さなねじだったので、タップとダイスを使ってねじ切りを行いました。発行されて40年後の設計図を、SOLIDWORKSと3Dプリンターで見事にモデルを再現することに成功さしました!

ソリッドワークスでは、明日のものづくりを担う学生さんを支援するツールも用意していますので、SOLIDWORKSウェブサイトの教育ページもぜひご覧ください。SOLIDWORKSでものづくりを学んだ学生たちが将来どんなものを作っていくのか楽しみですね。

 

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