実はポケモンGoより前にARを実用化していたeDrawings Mobile

流行ったのは少し前になりますが、今でもスマートフォンを一心不乱に見つめながら歩いている人を見かけます。人々がこのような小型コンピュータ デバイスに一時的に夢中になるのは、今に始まったことではないのでは?そのとおりです。でもそれまでと違うのは、彼らがスマートフォンを空中に掲げながら、一見、目には見えないターゲットを探しているという点です。最初は不思議に思いましたが、ほどなくして、彼らはスマホを操作しているのではなく、ポケモンGOの拡張現実の世界に潜むポケモンのキャラクターを探しているのだとわかりました。

ポケモンGoなんて聞いたことがない。もしそうであれば、思い切って殻をやぶり、現実とファンタジーが融合する新しい世界をのぞいてみる必要があるでしょう。2014年、Googleが発表した、Google Mapsとポケモンを融合した動画をきっかけに、エイプリル フールのジョークとして始まったポケモンGoは、その後、社会現象となり、暇つぶし手段として大流行しました。1日あたりの使用時間(平均的ユーザーで1日あたり43分)は、SnapchatとFacebookを追い抜き、リリースから1週間のダウンロード数はAppleのApp Storeで最多を記録しています。

ポケモンGoでは、プレーヤーが拡張現実(AR)の世界に入り込み、スマートフォン アプリに投影された身近な環境に潜むピカチュウやゼニガメといったキャラクターを「捕獲」して育成します。このアプリのすごいところは、ソファに座ってばかりの人々を強制的に外に連れ出し、仮想上の小さな生物を探して活動的にさせた点です。しかし、本当に評価されるべきは、ARを世間に浸透させ、現実世界と仮想世界の融合を人々に無理なく受け入れさせた点でしょう。

拡張現実とは何か?

ハイテク業界の元ジャーナリストとして、拡張現実(Augmented Reality=AR)テクノロジー、そしてよく混同される仮想現実(Virtual Reality=VR)については、この10年ほど何度か取り上げてきました。AR(拡張現実)もVR(仮想現実)もポテンシャルは高いものの、業務レベルでの応用という点では、有意義な形または便利な形での実用化はあまり現実的ではありません。ARとは、現実世界の環境要素にコンピュータで出力した画像や音声を重ね合わせた(つまり拡張した)ビューのことをいいます。

こうした応用事例は、むしろ製品設計の場合の方が顕著かもしれません。エンジニアは、シミュレーションにより、製造開始前に設計の成否を判断できることから、製品の仮想試作品を作成する利点をよく理解しています。では、仮想製品を現実世界の環境に取り組むことで、複雑なアセンブリを工場で組立てられるかどうか判断できたらどうでしょうか?あるいは、製品を部屋に置いたようすを顧客に見せてから、実際に配置できたらどうでしょうか?

eDrawingsとAR:どちらもスタートは2013年

eDrawingsにARベースのアップデートを追加することを発表したのは、SOLIDWORKS World 2013でした。eDrawingsをご存じない方のために説明を加えると、eDrawingsは、製品設計(フルスケールでの全アセンブリやパーツなどを含む)の迅速かつ簡単な公開・共有を求める多くのエンジニアや設計者に支持されているソリューションです。ARがこのアプリにもたらしたものは、仮想製品ついて、スケール感と適切な状況情報を正確に伝える能力です。

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なぜこれが重要かというと、設計するのがリモコンのような小さな製品であろうと車のような巨大な製品であろうと、コンピュータやiPad、スマートフォンの画面ではどれも同じサイズになってしまうためです。全体表示でワーク スペースを最大化できても、実際のサイズ感を把握したり、実際の環境にある対象物との比較を示すような視覚的な基準が画面上にはありません。従来、このようなサイズ感はモデルを実際に作成して初めてわかるものでした。つまり、サイズを把握できるのは、ぎりぎりまで調整が行われた後ということです。

では、自分の設計をすぐ横にある実際のテーブルに仮想的に配置し、本物の製品と見比べたり、テーブル上で移動したり回転させたりして、設計の実際のサイズやスケール、バランスなどをリアルに確認できたとしたら素晴らしくありませんか? またこれが、設計プロセス中いつでも、何度でも可能だとしたらどうでしょう?

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そう、eDrawingsがあれば可能です。iOSとAndroid用にStandardとProfessionalの両バージョンが用意されているeDrawingsがあれば、顧客やパートナーはもちろん、設計チームの全員で製品をフルスケールで確認できるため、実際のサイズ感が関係者全員に明確に伝わります。コンフィギュレーションを使用して製品ライン全体をeDrawingsに取り込むことができるため、ARを活用して、製品のさまざまなバリエーションを顧客の目の前に示すことができます。

eDrawingsのAR機能を使えば、設計プロセスに関わる全員で、現実世界での仮想製品のようすをリアルに確認できます。eDrawingsの詳細、ダウンロードについては、下記バナーからご確認いただけます。残念ながら、eDrawingsではレアポケモンを捕まえるお手伝いはできません。

田口 博之

田口 博之

マーケティング部 プロダクトマーケティング担当