プロダクトデザイナー阿武優吉ブログ12 – 落書きから始める3D - ペンタブレットでSOLIDWORKSを使ってみよう!- 02
こんにちは、阿武です。さて今回は前回の続き、ペンタブレットでSOLIDWORKS2018を使うお話です。前回落書きまでのお話をしましたが、今回は工業・プロダクトデザインの仕事でどう使えるのかを語りたいと思います。あくまでも「私ならこう使うかも」といった話なので、参考までにお読み下さい。ツッコミなしでお願いします(笑)。
仕事でどう使う?
まず、SOLIDWORKS2018にはペンツールという絵が描ける機能があるのだから、素直に「絵を描けばいいじゃん!」という使い方。もし作業進行中の3Dデータがあれば、その上から絵を挿入する。例えば色入れ。写真のBIKE shield (自転車保管ケース)を見て下さい。カラーバリエーションや柄のパターンをササッと描くことで完成後のイメージが掴み易い。ちょっとした打合せや提案などで使えると思います。
次に形状の絵を描く使い方。進行中のアイテムで、形状変更・追加・修正をしなくてはならない時がありますよね。そんな時に、3Dデータの上からササッと絵を描けば、修正後の形状を確認できます。例えば写真の円形電気器具の四角い突起物。修正箇所の3Dデータを作る前に修正部分の形状を確認できるので、時間的な効率が良いと思います。別レイヤーで挿絵をしているだけなので、本来のSOLIDWORKSの使い方ではないけれど、ペンタブレットがあるからできること。
これらの使い方は実際に有効的だと思います。どうでしょうか?今回使っているペンタブレット「Wacom Cintiq Pro」はシンプルで見た目もカッコイイし、とても描き易いので、スケッチする気分が盛り上がりますよ!
アイデアスケッチ。
ここからは、SOLIDWORKS2018でのデザイン作業や3Dデータ作成をペンタブレットで行う一連の流れについてお話をします。まず何といってもアイデアが無ければモノは作れません。SOLIDWORKS2018のペン機能を使ってアイデアスケッチをしましょう。これから制作するのは照明器具。ドーナツ状のリングを重ねた照明器具を作ります。アイデアの構想をペンでスケッチ。それも上手に描く必要はなし。自分の中でサイズや機構を考えた絵をサッと描き、保存しておきます。この時点のスクリーンショットを使い、メール添付で遠方との打合せもできるし、データを共有すれば、別の人間が追加スケッチを描きこむこともできる。落書きといっても侮れない今風な使い方でしょ?紙とペンという習慣をペンタブレットで行えば、描いたものを瞬時にデジタル化できます。
Wacom Pro Pen 3Dの凄さ。
さて、アイデアが固まったら3Dデータを作成していきます。前回お話ししましたが、今回使用しているペンは「Wacom Pro Pen 3D」。3D作業も行えるというスグレモノ。どういうことかというと、ペンについているボタン類に秘密があります。使いながら説明しましょう。まずドーナツ形状の3Dデータを作るのに、ペンツールで円を描きます。CADの線で正確な円が必要なので、自動スケッチエンティティを選択して円をクルックルッと2つ描きます。次に押出しコマンドで厚みを付けるのですが、この時マウスでクリックしていた作業をペンのボタンで行います。
この「Wacom Pro Pen 3D」にはペン先に向かって上中下の3つのボタンがあります。デフォルト設定では、上ボタンがマウスの右クリック、中ボタンがマウスホイール、下ボタンがマウスの中クリック(ホイールボタンのクリック)の機能を持っています。つまり、押出し時に矢印をつまんで引っ張る作業や、オブジェクトの回転など、ペンのボタンをクリックすることでマウスと同じ作業ができるのです。ペンのボタンが小さいので慣れるまでは少しだけ時間が必要ですが、慣れてくると問題なく使えるようになります。私にもできたので、皆様は絶対に大丈夫です。ボタンはカスタマイズも可能で、「WACOM Pro Pen 3D」は3Dソフトに適した本当にオススメのペンです。
さて次回は、この照明の基本形状3Dデータの全てを、ペンタブレットを使って完成させていきます。動画もあるかも!お楽しみに!
【過去のプロダクト デザイナー阿武優吉ブログ】
プロダクト デザイナー阿武勇吉ブログ07 – SOLIDWORKS Industrial Designerでアートに挑戦!
プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ08 – Industrial Designerでアートに挑戦!02
プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ09 – Industrial Designerでアートに挑戦!03
プロダクトデザイナー阿武優吉ブログ11 – 落書きから始める3D – ペンタブレットでSOLIDWORKSを使ってみよう!- 01
SOLIDWORKS 2018の新機能については、下記サイトから確認いただけます。