“ものづくり”を通した“ひとづくり”の競技会

SOLIDWORKSは、学生フォーミュラを支援しています

教室の中だけでは優秀なエンジニアが育たないことにいち早く気づいた米国は、1981年(4輪自動車生産で日本が米国を追い抜き世界一になった翌年)から『ものづくりによる実践的な学生教育プログラム』として Formula SAE®(SAE International主催) を開催しました。近年では、100校を超える大学チームが参加する盛大かつ 国際的な大会になっています。 日本では、全国的なものづくりコンテストとして、 ソーラーカー大会やロボットコンテストがありますが、自動車技術分野で活躍を目指す学生にとっては、習得した専門技術を発揮できる設計コンテストがない状況です。学生たちが実際にものに接し、ものを創っていくことによって、技術の理解を深め、実践的な能力を養い、より高いレベルに意欲的に取り組んでいく。 ものづくりの本質やそのプロセスを学ぶとともにチーム活動やものづくりの厳しさ、面白さ、喜びを実感できる、そんな環境づくりを通じて、創造性に満ちた技術者の育成を目指している、という趣旨のもと、2003年から学生フォーミュラ大会が開催されています。

ロボコンコンテンストなどと異なり、何から何まで製造するわけにはいかないのが自動車。4サイクルピストンエンジンを使用し、排気量は610cc以下というレギュレーション。今でこそ、代々受け継がれたエンジンを使用することはできますが、初めの頃は、自動車エンジンを、タイヤを、シャーシを提供してくれる、また自動車を作るという技術を教えてくれるスポンサーを募ることから始まりました。そういう大人達と関わることで、問題解決の方法、新しいシステムの適用などをチームで遂行していくというプロセスまでも学習するのです。SOLIDWORKSは、設計ツールとして、数多くの大学で使用されているため、早くからスポンサーとしてこの学生フォーミュラを支援してきました。大学では、3D設計のための基礎を学ぶ授業カリキュラムがあったとしても、実践的に図面から製造する、というプロセスを全て学ぶことは少く、SOLIDWORKSを使用しているチームのために、操作方法を教えにいくというのが主な支援でした。特に、CAE(シミュレーション)は、自動車開発には無くてはならない技術でありながら、大学ではなかなか教えてもらえない流体解析の実施の方法などについても、熱心に取り組む学生の姿がありました。そんな支援も、大会が年を重ねるごとに、参加チームはどんどん増え、また参加チームのほぼ全てがSOLIDWORKSを授業で使うような大学ばかりになってきて、1チームづつ訪問して教えていくのにはなかなか限界があるのを感じてきます。また、大会出場は常連なのになかなか優勝に手が届かないチームは、企画、設計、解析に、もっともっとリソースをつぎ込まなければならないという重要性も感じているようでした。そんな中、まずは、関西地方の大学生から、「SOLIDWORKSの学習会を開いて欲しい。大学をいくつか集めるので、1日、SOLIDWORKSとできればシミュレーションを教わりたい」というリクエストがきました。若い人達の熱意に応え、学生達を支援する「土曜、日曜授業」の始まりです。最初は、SOLIDWORKSをまぁまぁ操作できる3年生や、解析をしなければという危機感を持つ4年生の参加が圧倒的でした。100名を有に超える学生さんが集まり、冬の寒い大教室の窓が曇るほどの熱気。持参してくるPCも、スペックはばらばらで、いち早く解析を終了するチームもあれば、まだ終わらない、と嘆くチームもあり。今となっては楽しい思い出の数々です。

 

そんな学生フォーミュラ。今年はご多分にもれず、中止を余儀なくされました。
でも、学生さん達も粋な計らいをしてくれました。SOLIDWORKSのようなスポンサー企業に対し、学生を集めてオンライン企業PRイベントの場を作ってくれたのです。企業と就職活動をする学生をつなぐ、良い機会となりました。さらに、来年に向けて、SOLIDWORKS土曜授業は、健在。今年も、オンラインではありますが、しっかりSOLIDWORKS、構造解析、流体解析を学んでいただきました。今年使えなかったたくさんの力と知恵を、来年の学生フォーミュラに向けて全力で邁進してくれることを願っています。
ガンバレ 学生フォーミュラ!

SOLIDWORKS

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Dassault Systemes SOLIDWORKS Corp.は、データの作成、シミュレーション、管理、テクニカル コミュニケーション、電気設計、ビジュアリゼーション、コラボレーションを行い、エンジニアリング リソースの革新と生産性を達成するための完成されたソリューションを提供しています。