「恐竜」のようなPDM/PLMを今後も維持しますか

現在のCAD/PDM/PLM環境の最適化を検討している企業と多くのやり取りをしている中で、レガシーなPDM/PLMシステムを未だに使用している多くの人々と会いました。そうしたシステムは、はるか昔、私がヒューレット・パッカードの機械設計部門で初めて学んだPDM/PLMそのものであり、いわば過去の遺物です。

当時、PDMシステムは多くの複雑なコーディングによりカスタマイズとサービスを組み合わせて構築される優れたツールボックスでした。JARファイル、Java設定、マクロのコンパイル、カスタムUIコードの作成、SQLテーブルの適用、それをすべて実装して運用するのは大変な作業でした。基本的なシステム コンポーネントをインストールして、すべての設定を完了するのに通常、約2、3週間かかりました。

その結果、「一回限り」のスーパーPLM/PDMシステムが完成します。プロジェクト開始時に定義した顧客のニーズを満たすシステムです。しかし、実際に展開するころには、新たな市場情勢に合わせてプロセスはすでに変更されており、PLMシステムもそれに合わせて変更を余儀なくされます。時間をかけて既存のシステムを更新しなければなりません。

この「カスタマイズとプログラムの怪物」は、業界のトップ コンサルタント(仕事で大勢に接してきました)によって魔法のように出現します。そして、数ヶ月のトレーニングを積み、試行錯誤を繰り返して、システムの適合作業はもちろん、維持していく能力を備えた優秀なシステム管理者の手に委ねられます。

その後、PDMソフトウェアの「恐るべき」新リリースが登場し、ユーザーが常に切望してきた多くの新たな可能性がもたらされます。こうしたリリースは、担当マネージャーとその同僚によって、工場の前に「破棄」され、ピカピカのCD-ROMボックスが山のように積まれました。

ほとんどの場合、初期PDMプロジェクトの30~60%は、新たな機能に合わせて、すべてのコードを何度も更新することになります。その後、すべてを再び本番運用しなければなりません。言うまでもなく、新しいバージョンを運用環境に導入する前には、まずテストすることが重要です。テストが失敗すれば、カスタム コードをテストしてやり直します。

このため、ITチームは毎年大規模な評価を行い、たった今完成した「恐竜」のようなPLM/PDMシステムのアップグレードが必要かどうか判断します。システムに新たなツールを追加する場合は、膨大な量の外部サービスが必要になり、完成に時間がかかり、コストや関連リスクも高まります。

私は、2008年にドイツのダッソー・システムズSOLIDWORKSに入社しました。SOLIDWORKSのPDM製品は、(当時は)「恐竜」ができることを全て実現できるわけではありませんでした。しかし、私のPDM/PLM人生で初めて出会った、管理者によるプラグアンドプレイに対応したPDMソフトウェアだったのです。

SOLIDWORKS PDM Professional Admin Clientは、ソフトウェアで設定可能なすべてのものを制御します。

同僚のChristian Senn(当時はPDM担当テリトリー テクニカル マネージャー)は、私に何がやりたいのか聞き、私のノートブックPCにPDMシステムを3時間でインストールして設定してくれました。しかも、私の目的に合わせて、です。その日以来、私は顧客プロジェクト、顧客からのCADデータ、契約書などを管理するために毎日それを使用しています。

現在、間もなく10年が経ちますが、SOLIDWORKS PDM Professionalは多くのリリースを重ねています。しかし、この製品の管理パラダイムは以前と変わらず、新しいクライアントを今でも驚かせています。

システム管理における時間短縮とコスト削減は、以下の手法で達成しています。

  • カスタマイズではなく構成変更によるもの。
  • 管理UIによってシステムを変更できるため、管理者にとって理解しやすく、使いやすく、習得しやすい(プログラミングは不要)。
  • ユーザー インターフェイスの適用をグラフィカルに設計することで、内部プロセスと統一できる(さらに、ボタンをクリックするだけでシステムに展開できる)
  • ワンクリックで新しいバージョンを容易にダウンロードしてアップグレードできる(カスタム プログラムを挿入しない限り – カスタマイズは最小限に抑えるべきである)。
  • 購入するライセンスにすべてのサーバー コンポーネントが含まれている(ビューア、コントリビュータ、CADエディター ライセンス タイプ。サーバー製品の購入は不要 – これらのライセンス タイプに含まれている)

    SOLIDWORKS PDM Professional CAR Editor

さらに、PDM ProfessionalとERPシステムを統合することで、以下のような事態を回避できます。

  • ERPとPDM間でマスター レコード データベースが重複してしまう(ERPがマスター)
  • PDMにマスター データ分類情報を再入力して管理しなければならない(ERPがマスター)
  • ユーザーが最も多用するシステム(ERPならEnterprise Resource PlanningまたはPDMならR&D)でデータが利用可能なので、会社からの多くの情報要求に答えます。

SOLIDWORKS PDM Professionalへのアドオンとなる新しいSOLIDWORKS Manage製品が今年後半に発売されます。私は、拡大するコミュニティである既存ユーザーと新規ユーザーにメリットをもたらす今回の追加機能を楽しみにしています。

お近くのSOLIDWORKS代理店をぜひ訪れてください。SOLIDWORKS PDM Professionalを導入することで、恐竜のようなレガシー システムを博物館へと送ることができます。システム管理者による迅速なアップグレードが可能になり、サブスクリプションサービスに入る事で新たなバージョンを活用できるようになります。実際にその目でご確認ください。

*Microsoft SQL Standard Editionバンドルでは、プロセッサベースのライセンス タイプを選択しない限り、インストール済みのクライアントごとにCALライセンスが必要になります。

田口 博之

田口 博之

マーケティング部 プロダクトマーケティング担当