3Dプリンターで変わる

製品製造目的で3Dプリンターを使用している現場を日本で見ることはごくまれです。

3Dプリンターは実は、30年以上も使用されている技術です。が、製品製造目的で3Dプリンターを使用している現場を日本で見ることはごくまれです。3Dプリンターが工場に設置され部品として生産できるようになるのはいつのことでしょう。しかし、この認識は、3Dプリンター業界では、誤解以外のなにものでもありません。3Dプリンター業界は進化し、世界中の多くの企業が、製造プロセスで使用する3Dプリンターに目を向けています。

近代的で強力な3Dプリンターを有効に活用するには、順応性のある製造現場に対応するための強力な3D設計ソフトウェアが必要です。ここでは、SOLIDWORKSと3Dプリンティングを組み合わせて使用​​して、業界を大きく変える3つの方法を紹介します。

1.3Dプリンターでプロトタイプを作る

(画像は、 Centor/Markforged社のご好意によりご提供。「プリンターは、ほぼ1日24時間、1週間7日、年中無休で動作しているようなものです」、Product & Engineering Manager/ David Chappell)

 

従来、3Dプリンターは、化粧品のプロトタイプを作る、という点で注目されていました。作成する材料が可動に耐えるほど堅牢では(強く)なかったためです。実際の材料でプロトタイプを作成する前に、3Dプリントすることで、最終的な機械加工部品がどのように見えるかを確認することができました。しかし現在では、プロトタイプを3Dプリントして、部品の外観を確認できるだけでなく、最終製品の一部としてどのように機能するかをテストすることもできるようになりました。

これは、エンジニアが数日から数時間で、外部の製造業者の時間を使わずに機能部品を手にできることを意味します。つまり、設計ワークフローが合理化され、変更に適応できるようになるわけです。当たり前の話ですが、SOLIDWORKSのような3D設計ツールを使用すると、エンジニアは部品を生産する前に設計案をすばやく、何回も良い方向に反復しながら、最適化できます。SOLIDWORKSの関係式や変数ツールを使用すると、設計依存の寸法を簡単に変更、更新できます。また、これは、SOLIDWORKS PDMに組み込まれたリビジョン履歴と分岐機能と組み合わされ、エンジニアが時間やお金を無駄にせずに設計、プリント、検証の複数のサイクルを適切に実行できることを意味します。

2. ツールと治具

(画像は、Dixon Valve/Markforged社のご好意によりご提供。3Dプリンターでカーボンファイバーからプリントした部品)

 

新しい技術と材料が、従来のプロセスを解決する新しい方法を生みだします。Markforgedなどの3Dプリンター企業は、腐食性の高い製造環境にも耐えることができる、カーボンファイバーやステンレス鋼などの強力で耐久性のある素材を 幅広く提供しています。金型などの成形ツールから、アームの先端工具や検査治具などワークを保持する部品にまで、費用対効果の高い方法で迅速にプリントできる多くのツール部品があります。これらのタイプのワーク保持部品およびツールの製造に3Dプリンターを利用することはとても有効です。何故なら、「金属」を「加工」して製造されるこれらの部品の制約を受けずに済むからです。3Dプリンターの主な利点は、任意の形状を無傷で製造できることです。従来のワーク保持部品は、実は、ツール加工で必要な操作数を減らすために、安全性が低く、複雑さが制限されていました。SOLIDWORKSを使用すると、さまざまなタイプの任意形状を設計できます。SOLIDWORKSに統合された金型およびダイ設計ツールを使用し、3Dプリントのホールドを作成することも可能です。

3.機能的な最終製品を製造する

(画像は、Radiant Images/Markforged社のご好意によりご提供)

 

プロトタイプ作成、ワーク保持部品などの製造は、製品開発プロセスの重要な要素ですが、実際にビジネスに収益をもたらすのは完成品です。3Dプリンターは、最終製品として使用するのに十分な強度と耐久性のある部品を生成できるようになったことが、製造業全体を変えようとしています。現代のプリンターは、滑らかできれいな表面仕上げで長持ちする部品を作成できます。多くの企業が、製造現場からお客様の手に直接製品を届ける部品を、3Dプリンターで製造しているのです。

SOLIDWORKSと高強度の積層造形テクノロジーを組み合わせることで、製造エコシステムによる適切に設計された部品が製造されます。SOLIDWORKSの解析ツールおよび設計最適化ツールにより、軽量で強固、より合理化された設計を作成できます。従来の製造方法では、機械加工性(製造性)による妥協が伴いましたが、SOLIDWORKSと3Dプリンターにより、製造性に妥協することなく、効率的に設計、分析、作成される高性能設計への扉を開きます。

 

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