[第15回]え、マジっすか。そんなの知らなかったテクニック　

不定期で、「そんなの知らなかった～」テクニックをご紹介していきます。今回は、「ドラフト精度」

ドラフト制度は、野球だけじゃない。解析の世界にもあるんです。

ドラフト精度の要素は、四面体要素の各頂点に1つずつ、4つの節点だけで表現されるため、解析時間が短縮されることをご存知でしょうか。頂点を結ぶ「節点」と「節点」間は、直線(線形)で表現されるため、2次元的に変形できません。従って、より正確な応力解析結果を得るためには、高精度メッシュ要素への切り替えが必要です。高精度メッシュを作成することで、中点の節点が追加されるため、四面体要素の総節点数は、10節点となり、自由度が増加するため、解決時間が長くなるというわけです。

SOLIDWORKS Simulationドラフト精度（1次）要素

SOLIDWORKS Simulation高精度（2次）要素

混合ドラフトと高品質メッシュ
SOLIDWORKS Simulation 2020では、このドラフト精度要素と高精度要素の混在が可能になりました。2019までは、全ての要素を高精度またはドラフト精度で統一しなければなりませんでした。 SOLIDWORKS Simulation 2020で、高精度要素とドラフト精度要素の組み合わせが可能になったことで、高精度な結果が要求される部分と、そうでない部分を分けて要素を設定でき、大幅な解析時間短縮が可能になります。

ドラフト精度要素として定義されたボディには、四面体要素のアイコンが「直線」のエッジで表示されます。高精度要素として定義されたボディには、エッジが少し湾曲した四面体要素のアイコンが表示されます。微妙ですが。。。。スクリーンショットでは、オレンジ色の線で示したボディは、ドラフト精度、青色の線で示したボディは、高精度メッシュが適用されていることを示しています。

SOLIDWORKS Simulation 2020混在メッシュ
スタディツリーで、1つまたは複数のボディを右クリックすることで、「ドラフト精度メッシュを適用」または「高精度メッシュを適用」(状態に応じて異なります）コマンドが表示され、適宜、要素タイプを切り替えることができます。「部品」アイコンを右クリックして、「高精度メッシュをすべてに適用」または「ドラフト精度メッシュをすべてに適用」することもできます。

SOLIDWORKS Simulation 2020ドラフト精度メッシュの適用
SOLIDWORKS Simulation 2020では、「メッシュ作成」コマンドをクリックすると、「メッシュ特性」タブが追加されているのがわかります。このタブを使って、高精度またはドラフト精度のをボディまたは部品ごとに割り当てることができます。アイテムを上下に移動させるオプションがあるのがわかります。
注意：「メッシュ特性」タブが追加されたため、「定義」タブに存在した「ドラフト精度」チェックボックスオプションは、廃止されました。

SOLIDWORKS Simulation 2020　メッシュ特性タブ
要素の色
SOLIDWORKS Simulation2020では、メッシュが作成されると、要素を別々の色で表示します。オレンジ色のアウトラインはドラフト精度要素で、青色のアウトラインは、高精度です。すべてのボディがドラフト要素でメッシュ作成された場合、すべてオレンジ色で表示されます。これは、モデルをドラフト精度要素のみでメッシュ作成した場合の視覚的な注意喚起のための優れた拡張機能です。
注意：この混在機能は、ソリッド要素だけで構成されるモデルに対してのみ有効です。一部のボディが、シェル要素またはビーム要素として定義されている場合、混合メッシュの機能は適用できません。メッシュ全体をドラフト精度または高精度要素として定義するオプションは、引き続き利用可能です。混在要素を使用した線形静解析スタディの結果は、疲労解析、圧力容器設計またはサブモデリングスタディなど、線形静解析の結果を初期情報として使用する従属スタディの入力として有効です。

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