非線形解析のヒントとコツ

SOLIDWORKS Simulation Premium内で非線形解析問題を取り扱う場合、難しいと感じているユーザーの方があるかもしれません。

ここでは、これまでの体験から、非線形モジュールをよりスムーズにできるよう、その方法をご紹介します。

非線形モジュールを使用する場合の最初のアドバイス:
すぐに使用するのではなく、線形静解析から始めましょう。これは、どんな非線形スタディにも言えることす。線形スタディのセットアップに問題がなければ、線形スタディを非線形スタディに簡単に変換できるからです。

さらに、非線形動解析が不安定であることがわかった場合は、「減衰」オプションを使って「スタビライザー」として使用してみてください。このアプローチには多くの利点があります。

・接触と境界条件を確認するために早く計算のできるスタディを実行
・精度と速度のバランスが取れたら、メッシュを変更します
・線形材料モデルを使用すると、どうなることを期待しているかがわかります。

メッシュについては、常に「ドラフトメッシュ」から始めて時間を節約してください。適切なメッシュであることが確認できたら、2次要素に変更します。

また、「標準メッシュ」は、挙動がより予測可能であり、不要なノードが追加されないため、最初に使用することをお勧めします。標準メッシュがモデルに適さない場合は、「曲率ベースのメッシュ」に切り替えます。
メッシュ作成が困難なジオメトリの場合は、分割(split)コマンドを使用することをお勧めします。このコマンドを使用して、決定したエッジからメッシュが作成されるようにするのです。さらに、分割(split)コマンドを使うことで、必要な場所に正確な結果を表示するのに適しています。

次に、非線形解析で管理するのが最も難しい、「接触」について説明します。
接触に関するいくつかのヒントは以下の通りです:

・常にグローバル接触(ボンド)の条件で開始します。その後、必要に応じて、接触セットを適用します。
・接触セットの領域全体で、同程度の大きさのメッシュが作成されていることが望ましいです。
・メッシュコントロールを使用して、大きく変形するコンポーネント(ゴムシールなど)上に均一なメッシュを作成します。
・壁にぶつかる弾丸、のようなイメージで、「ソース」と「ターゲット」を選択します(コンタクトセットウィンドウを使用します)。「ソース」は常に、より複雑な表面やターゲットよりも小さな表面を持つ範囲になります。「ターゲット」の方が、より滑らかな平面を選択します。
・サーフェス数が少ない(例えば、1対1になるような)多数の接触セットを作成することは避けましょう。接触の発生する可能性のあるコンタクト領域に関連してグループ化するのが良いでしょう。
・「接触」オプションを使う接触セットでは、常に詳細設定で、面―面オプションを使用すると良いでしょう。
・摩擦は、必要な場合にのみ、限定した接触セットでだけ使用してください(計算時間がかかります)
・接触がうまく動作しない問題のある接触セット間には、0.05程度の「摩擦」を設定して、滑りを防ぎ、計算を安定させます。

最後に、ソルバーの設定についてご紹介します。
通常、デフォルトの設定で問題ありませんが、複数の接触セット、超弾性材料、または荷重(載荷/除荷)の境界条件が複雑なモデルでは、ソルバーも変更する方が適切です。オプションをご紹介しましょう:

・常に直接スパースソルバまたはIntel 直接スパースソルバは適切です(大量のRAMがあることを確認してください)
・FFE +またはその他のソルバーは、コアが不足している場合(RAMが不足している場合)にのみ使用してください。
・詳細設定オプションでは、収束誤差を1e-06に設定します。解析時間は長くなりますが、終了する可能性が高くなります。待っても結果を見たい場合には、有効でしょう。
・詳細設定オプションでは、困難なステップ計算にも適応するよう、繰り返し計算の最大計算回数を「50」に設定してみます。

詳細設定で、ソルバーに適切なタイムステップを設定することも非常に重要です。車を運転するときの速度と加速を、時間ステップとして想像してみてください。低速と低加速はあまり意味がなく、時間を無駄にするだけ、一方、カーブの直前に過度に加速すると、トラブルが発生する可能性があるようなものです。

最まず、「最初の時間ステップ」です。これは、ドライブを始めるのにかかる初期速度です。シミュレーションの開始時に複雑な接触があることがわかっている場合は、最大時間ステップの半分程度までカットできますが、通常はある程度小さい値に設定しておきます。「最小」ステップは、計算に使用される最小速度です。これは非常に重要ですが、ほとんどすべてのスタディでデフォルトを使用しても問題ありません。次に、「最大」時間ステップを設定する必要があります。これは、速度の観点から、可能な走行の最大速度です。高すぎる場合、収束の問題によりソルバーが停止し、警告を受け取るリスクがあります。通常、計算に設定された合計(終了)時間の1/10または1/20で試してみます。

非線形解析の難しさは、収束しなかった場合の対応方法(オプションのデフォルト値を変更すること)です。ここでご紹介した項目をヒントに、非線形解析も楽しんで下さい。

 

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