複合材需要の高まりの先に
複合材は市場に導入されてから、その優れた強度、低重量、耐熱性あるいは耐腐食性ゆえに、様々な高性能製品に欠かせない材料として広く使用されています。
複合材は、その高強度・低重量であるために、商用航空機の燃料効率を大幅に高めるものとして何十年も前から航空宇宙業界で高く評価されてきました。ところが、航空宇宙業界は、大量の受注残を処理するために生産のペースを速める必要性に迫られています。
これと同じ状況は、電動自動車の軽量化と走行距離拡大のための大量の複合材を必要としている自動車業界にも当てはまります。2つの業界は、目標達成を阻む重大な問題に直面している点でも共通しています。複合材は他の材料と比べて製造に比較的時間がかかり、複合材を応用した新しい製品が規制機関から認証を受けるにはさらに長い時間がかかるからです。自動車の大量製造では、部品あたりの製造時間がたった2~3分であっても長いという評価となり、業界で求められる高い生産速度水準を満たすことはできません。
また、翼と胴体部分に炭素繊維を使用したボーイング787型航空機の認証には、物理的な試作機を使った数万時間のテストを必要としたため、開発時間とコストが著しく増加したという報告もあります。複合材の製造速度を高め、製造コストを削減するには、様々な業種が互いの成果に基づいて技術発展を重ねることが必要であり、業界の変革に伴い、複合材を使った新製品の認証を行う際には、精度の高さを実証された強力なシミュレーション手法と分析手法を受け入れる必要があると、という研究者の声もあります。昨今の研究・開発動向から、2020年代初期までに高性能複合材が技術的にも経済的にも現状を大きく上回って実現可能になることが明らかです。
OEM、サプライヤー、パートナーからなる業界のバリュー・ネットワーク全体が、特殊な複合材が製品設計者の意図したとおりに精密に機能するかどうかを保証するためには、これまで以上に全サプライヤー間の迅速で詳細なやり取りが必要であり、コラボレーティブ・デザインが欠かせません。バリュー・ネットワーク全体で、材料開発、製造工程、モデリング・ツールとシミュレーション・ツールへの取り組みを同時に進めることが必要でしょう。
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