SOLIDWORKSの価値と、ビジョンと、コミュニティと共に、未来を創る – 3DEXPERIENCE World 2020 Day3 レポート
Day3は、明日のSOLIDWORKSを語る日。
Strategy & Business Development Vice Presidentである、Suchit Jainのメッセージから始まります。
会場には、たくさんの学生さんがいます。彼からの質問。最初にSOLIDWORKSを使ったのが、学生時代だった人、ちょっと立ってみて下さい。今、学生で使っている人は?これで最後です。職場でSOLIDWORKSを使い、家に帰ってもSOLIDWORKSを使っている人は?すごい、こんなにいらっしゃるんですね!
ここにいる全てのみなさんが、ただ単に経済的な理由ということではなく、人生をもっと質の高いものに、持続可能なものにするために、昨日よりももっと、今日よりももっと、アイデアを、ニーズを、夢を、カタチにしている人に他なりません。そんな皆さんが、私達のテクノロジーを、ツールを、ソフトウェアを採用して下さっていることを本当に誇りに思います。私達は、常に、皆さんがアイデアを、夢をもっと大きく膨らませ、それを現実のものにできると信じています。また、私達のテクノロジーを、単なる個人ではなく、この多様なコミュニティを介して、アイデアを、夢を、職場だけでなく、家に帰ってでも、共有し、お互いを高め合うということは、この上なく素晴らしいことだと思います。
と熱く語った後、コミュニティから生まれた、数々の話題が紹介されました。
SOLIDWORKSで設計し、100%3Dプリンティングで製造可能な、模型飛行機を作り、起業したYoutuber(エンジニア)。昨年は、渋滞問題が申告なインドで、次世代のエンジニアが、この渋滞問題を解決できるのか?といコンペティション形式のイベントを若い世代に仕掛け、3DEXPERIENCEプラットフォームを開放して素晴らしいアイデアが生まれたお話。大きな夢を持った19歳の女性が、幼児にメカニカルエンジニアリングとコンピューターサイエンスを教育するクラスを展開しているお話。15年前に創立し、今や、80か国に55,000にも及ぶ無償の義手を供給してきた、Ellan Mendws Prosthetic hand Foundation。彼らの次の新しい義手のアイデア出しのために、月曜日、火曜日に行われていた「ハッカソン」のお話。
ゲストには、人間が空を飛べる、まるでアニメに出てくるような着脱式のジェットスーツを設計、製造するGravity Industryの Sam Rogersが登場。改良に改良を重ね、金属パウダー、アルミを材料とする3Dプリンティングはもちろん、メインの数部品を1回の3Dプリンティングで完了するようコンフィギュレーションを改良し、全ての部品を3Dプリンティングで製造することに成功しています。もちろん、このジェットスーツの開発には、たくさんの失敗もありました。しかし、失敗から学ぶことはとても多い、と、普通はなかなか見ることができないNG集ビデオは圧巻です。リスクは決して小さくはありません。が、私達は、失敗し、学び、改良することで、1年たらずで夢が現実のものになり、ビジネスとして成り立たせることができました、と。
お次は、Pitch Battle。昨年から、物理的に設計して製造したロボットマシンを戦わせるという過去のイベントから、イノベーティブな起業家達のアイデアを戦わせる「Pitch Battle」に移行しました。「あなたは、どんな問題を解決したの?」に回答するだけ。この登壇までには、1次審査、2次審査が行われており、最終的に登壇したのは、5名。優勝者は、「外科用縫合針」の開発で、多くの学生を教育し、外科手術における縫合の失敗を解決する、という課題に取り組んだ、起業家Lia Winterに決定。若干25歳らしいです。
お次は、DEKA and First Robotics の創設者、Dean Kamen。 アメリカでは、発明家、起業家として超有名な人です。セグウェイを発明したのも彼。彼は、自分の発明の数々をたった30分で話すのは難しい、と言いますが、次々と紹介される興味深いテクノロジーに時間も忘れて聞きほれてしまいます。He Needs Me , He Needs Me (彼には、ボクが必要)というBGM。街中を、坂道を、人やボールをよけながら自動走行するロボット。たどり着いたお家には、ベッドに横たわっている少年がいます。そう、少年は薬を待っていました。彼は、Fedexの、無人宅配ロボットの開発にも一役かっているそうです。彼のもう一つの夢は、自動バイオファブリケーションラインを作ること。これは、米国の国家プロジェクトでもあり、ちょっと専門的な話にはなりますが、このラインには、組織工学および再生医療に不可欠なパラメーターの測定を通じて、バイオ製造プロセスの設計、分析、および制御を支援するプロセス分析技術(「PAT」)、バイオエンジニアリングに関わるテクノロジー開発のお話しです。バイオ世界の発展は、私達の人生をより豊かなものにするために欠かせないのですが、まだまだ人間が、マニュアルで、1つ1つ、実験をしている世界であることも事実。これを自動化することで、もっとスピード感を持って、バイオ世界に変革をもたらすことができる、と彼は考えています。最後に、30年間に渡ってずっと思い続けてきた、「教育危機」の問題へと進みます。科学、テクノロジー、エンニアリングをもっと身近にもっと優しく教えることができたらいいのに、と。授業が終わると、外で遊ぶ、スポーツをする子供達。そこには楽しみがいっぱい。でも、数学や物理を学んでも、ちっとも面白くない。こんな状況を世界のテクノロジーをリードする人達が、子供達に、いやあなたの会社の社員に、ゲームをする感覚で、教育していければ、どんなに世界が変わるでしょう。彼の「教育」に対する想いは、米国を超え、今や191か国に飛び火し、世界を巻き込んで、つながっています。
ということで、最後の時が来ました。ジャン・パウロ・バッシの登場です。
3DEXPERIENCE WORLD2020にご参加の皆さんは、この数日間で、変っていないことも多いのですが、変化していることにもお気づきいただいたと思います。変化するということは、皆さんに何かを想像させ、そして、何かをしたいと思っていただける動機付けにもなったのではないかとも思っています。私達の気持ちは変わらず、これまで以上の活力を持って、このコミュニティをさらに大きなものにできる、と強く感じています。事が変化し、テクノロジーも変化し、社会も変わっていきますが、私達は、私達の価値と、そのビジョンを守っていきながら、皆さんと共に前に進んでいきたいと願っています。夢を持ち続けて下さい。
ご参加いただいた全ての皆様に、この数日を心から楽しんでいただければ幸いです。来年も、このナッシュビルでお会いしましょう。ご参加誠にありがとうございました。
と、3日間のイベントは幕を閉じました。
がらんとした、会場のナッシュビルミュージックシティセンター。
広い。とにかく、広い。。。東京ドームで言えば、センターからキャッチャーまでの距離を有に超える長さです。
Day3も、午後ともなれば、徐々にその広さだけが目立つ状態で、人もまばらです。
朝食会場から 展示会場を通過してGeneral Session会場に向かう1本道。
一抹の寂しさはあります。
何故って、あぁ、やっぱりSOLIDWORKS WORLDから、3DEXPERIENCE WORLDに変ったんだと改めて実感するからです。
ステージでは、SOLIDWORKSのTop10エンハンスメントリクエストは無く、2021の新機能チラ見せ、も無く。。。
そう感じたのは、長い廊下と、上へ下への大移動に疲労を感じた歳のせい?
いやいや、現状に貼りついちゃって、想像もできない、夢も持たない、何かしなきゃ、と思う気持ちもおきない「老いた」気持ちじゃない?
充実の3日間でしたよ、本当に。
この広い会場を、足を棒にして担いだバックに 沢山の情報と、ジャン・パウロ・バッシのコメントを胸に、帰国します。