ロボットが自動車を運転するわけじゃない。時代はもうレベル4へ。

初めから、終わりまで、コロナコロナで1年も終わろうとしている。あっという間の2020年だった。

今年4月1日、「道路交通法」と「道路運送車両法」が改正された。公道での交通ルールを定めた法律と、公道を走行する車両が満たさなくてはならない条件を定めた法律の改正である。自動運転レベルは、ご周知のように1~5レベルの5段階に分かれている。レベル1や2は、自動ブレーキや車線をはみ出さずに走行する機能、追い越しを自動で行う機能などで、既に最近販売されている自動車には搭載済みの機能である。これらの機能は、ドライバーの運転をサポートする役割を持っているのに対し、レベル3は何が違うのか?ドライバーの代わりに、システムが周囲の状況を把握し操作する、という技術である。レベル3の自動運転走行中に起きた事故は、メーカーの責任になる、というのがごれまでの議論だった。が、今回の法律改正により、基本的な安全運転の義務はドライバーにある、という明確な責任所在により、メーカーのハードルは低くなった。

製造業でいうロボットは決められた作業をこなす機械だ。センサーを使って環境変動にある程度対応し、プログラムを入れ替えることで、異なる作業ができる。一方、人工知能は、知的な処理をするプログラムである。定式化された問題処理を実行する。自動運転技術とは、自動車が周囲の状況を判断しながら、目的地までの経路を作る、経路を選択して移動する、障害物があったら避ける、信号や道路標識を認識する、交通法規を守る、止まるべきところで止まる、などの様々な要求に応える技術である。この人工知能(頭)と、製造業には身近な産業ロボット(体)の関係がうまく一致していない人がいるのではないか、と指摘する人がいる。そんなことは無いと思いたい。何故なら、自動運転技術を、ロボットが自動車を運転すると思っている人はいないはずだから。

アフターコロナ時代、「非接触」が大きなテーマになった。その5大要素が、センシング、ロボット、自動運転、オンライン(遠隔)、デジタルトランスフォーメーション(DX)だそうだ。レベル3の技術開発を進めているのは、もちろん、世界の名だたる自動車企業であった。が、ここにきて、レベル4の技術開発に向け余念がなかった各社が、業績不振によって分業と統合を始めている。自動車メーカーが強みを見せていたハード(体)の開発経験は、全く通用しなくなるかもしれない。体だけを作っている現状維持の状態では生き残れない。危機感を持って製品開発に臨みたい。

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