大量生産

多品種少量生産の近年、24時間フル稼働で生産しても、需要の60%にも満たない、という状況を誰が想像しただろう。新型コロナウイルスによる感染症から身を守るため、世界中でマスクが増産されている。日本人が自分は病気でもないのに、自身を守るためにマスクをしている光景は、欧米人からすれば異様な光景らしい。マスクをしている人全てが、感染者のように見えるからだそうだ。マスクで顔を隠すことで表情をわかりづらくするし、なにより重病人だと思われてかえって怪しまれることもある。日本には、マスクの性能規格基準(主に医療用)が無く、欧米では、職業上必要な人が必要な基準を満たした医療用マスクで身の安全を守る、という、今まで培われてきた環境の違いもあろう。しかしこの新型感染症の猛威は、欧米人にもマスクを着用させるという状況を生んでいる。

世界にマスク生産工場を持つメディコムは、マスクの世界需要の約半分を中国(台湾を含む)で生産しているらしい。1日に2,000万個、年間70億個の衛生用マスクが中国で生産されてきた。1日、2,000万個、1分で、約14,000個。自動マスク製造機の性能が、100個/分とすれば、14台のマシンが必要だし、140個/分の性能があれば、10台で足りる。機械を導入する側にとっては、この大量生産の危機?好機?が訪れることは、ある意味、予想不可能な状態で、目的とする生産性を目指して、コストパフォーマンスの良い製品を導入したはずだ。もともと旧正月中の中国では、生産体制を減速させていたこともあるが、工場を24時間フル回転させたところで、2,000万個の壁は突破できないのが現状である。もちろん、メディコムの中国工場以外の工場をフル稼働させることで、急場をしのぐのは当然ではある。

企業は、お客様に対して「何を提供しているのか」を改めて考える必要があろう。企業がお客様に対して提供しているのは「価値」だ。「価値」は変化することを改めて気づかされる。「マスク」は、ほんの一例である。一瞬の「タイミング」によって、こんなにも大量生産が必要になった。今必要な「価値」は、安価で誰でも手に入れられるマスクの大量生産か、N95マスク並みのサージカルマスク製造か。変化する「価値」に対応していくために、種類別のマスク製造に対応できるアッタチメント、製造工程を変化させることのできるトランスフォーマー型マシンを開発し、デザインフォーサービス(Design for Service)方式を提供していくというのはどうか。はたまた、フルパワー・フル機能付きマシンを開発し、パワーバイザアワー(Power by the hour:エンジンの業界におけるビジネスモデル。エンジンを販売するのではなく、そのエンジンの時間ごとの出力に対して課金する)方式を提供していくのか。お客様が、持っているだけで「価値」を感じることのできる差別化が必要である。

SOLIDWORKS Japan

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