サブスク
日本人は、色々なカタチで短縮語を作る人種で、4文字だったり、3文字だったり、5音以上ある言葉を2~4文字に置き換えることが多い。5音以上の、外国語「サブスクリプション」は、短縮語で、「サブスク」と呼ばれている。今年、日本サブスクリプションビジネス振興会(略称:サブスク振興会)が、2019年日本サブスクリプションビジネス大賞受賞者を発表した。記念すべき、第1回目のグランプリを受賞したのは、株式会社トラーナによる「トイサブ」だ。0~3歳の子供向けに、成長に合わせた玩具を選定・届ける“おもしゃの提案型サブスクリプション・レンタルサービス”である。幼児期に手先を使ったり、動作を繰り返すなどをさせる「おもちゃ」は、知能や思考の発達を促すという情報の元に、あれもこれも様々買い与えたあげく、子供の興味はあっという間に違う方向に向かっていて、使わないおもちゃは山積み。親が子供のデマンドも聞かずにこれでもかと買い与えたのに、言葉(デマンド)を発するようになったとたん「買ったってすぐ飽きちゃうでしょ!」とデマンドを無視。デマンドがわからいなら、実際に「モノ」を買うより、サービスとして色々と試して使い、良かったら購入もできるという「サブスク」お悩み解決サービスが市場にうけた。
【進化する「サブスク」】
市場でうけている「サブスク」の形態も変化している。
モノの所有でなく利用権にお金を払うという「サブスク」は、SOLIDWORKSのサブスクリプション・サービスがそうであるように、お客様は製品を使い続けている間に、最新の機能(ソフトウェア)を手にすることができる。つまり、古い機能が、どんどん最新の機能(ソフトウェア)にアップグレードできるのだ。契約期間は、1か月~1年単位。それに対して、「レンタル」は、借りるものによって金額(定額支払い額)は異なり、ニーズによって期間を変えることができる。レンタル品は、「モノ」を借りている間に機能が変ることはないが、違う機能を使いたくなったら直ぐに別なものを借りれば良い。このレンタルとサブスクを合わせたようなサービスが市場ではうけているようである。SOLIDWORKSのようなソフトウェアのサブスクは、最初にソフトウェアを購入しないと成り立たなかった。これを過去のサービスだとすれば、サービス自体が「質」も「スピード」も変化し、今からでも、申し込めばすぐにサービスを受けることができるのが現在の「サブスク」である。
【全く別のビジネスモデル「サブスク」】
工作機メーカーでは、早くからリース・レンタル事業に着手している企業が多い。自動車業界、一般消費材業界、業界を問わず「サブスク」サービスが開始されてきた。サービスを提供する側として、従来の製品販売モデルとサブスクモデルは別のビジネスモデルであるという認識を持つことを忘れてはならない。「サブスク」を愛する人達のニーズはどんどん変わるのだから、サービスを提供する側も、最初から100%マックスである必要もないところもおもしろい。必要なことは、お客様にとって「お得な」「便利な」「お悩みを解決する」サービスを提供できるかどうか。そして、怖いのは、「サブスク」を愛する人達と決別しないように(解約されないように)することである。解約されないために、常に新しい「体験」をしてもらえるようなサービスを提供し続けること。小さな体験が、やがて、「サブスク」を愛する人を捕まえて離さない。次世代のサブスク大賞を受賞するのは、斬新な仕掛けを提供しているあなたの企業であって欲しいと願う。