3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2020 シミュレーション技術を考える
1960年 IBMコンピュータの1カ月レンタル料金は、600,000円也。
電子計算機よりも、人間がやったほうが速い。
機械的な演算より、人間の感覚に重きをおいたデザインの占める要素は大きい。
計算を機械がやることにより、優秀な人材を人間でなければできない仕事のほうへ回すことができるかもしれない。
技術者と呼ばれる1/3~2/3の人がやっている構造計算は、熟練すれば1/2~1/3の速さでこなすことができるようになる。しかし残念なことに、機械のように1/1000まで高速にできるようにはならない。
これまでは、面倒だったのでやれなかった比較計算や、想像にしないような計算にも活用できるのではないか。
迫ってくるテクノロジーに否定と肯定、賛否両論。いつの世も変わらない。引用させていただいた会話は、1964年 東京オリンピック当時のものである。
あれから60年。テクノロジーへの賛否を取り巻く状況は、全く変わっていないように感じる。世の中こんなにテクノロジーで溢れているのに。
3DEXPERIENCE WOLRD JAPAN 2020 3日目ライブ配信 11月12日は、テクノロジーの変化を実感する日であろう。
SOLIDWORKS Simulationが、誕生したのは1986年。1985年にSOLIDWORKSが生まれた翌年であった。が、日本で販売を開始したのは、それに遅れること2年、1988年である。
1964年当時と比べれば飛躍的にコンピュータ性能が向上し、SOLIDWORKSがそうであるようにパーソナルコンピュータ(PC)が普及し始めた頃と重なり、それまでの設計環境を大きく変えるきっかけともなった。SOLIDWORKS Simulationは、1986年当時は、部品解析しかできなかった。部品解析しかできないの?四面体要素しかできないの?と否定的なコメントの一方で、SOLIDWORKS(3次元CAD)と一緒に使えるんですね! 速いんですね!という肯定的なコメント。有限要素法という理論も徐々にではあるが定着してきた当時、一方的な反論ばかりだったのではなかったことが、20有余年過ぎた今でも鮮明な記憶である。
米国では 俗語として「Mickymouse」という単語が良く使われる。「それって「おもちゃ」でしょ」「「単純」なことしかできないのよね」、のような意味で使われ、SOLIDWORKS Simulationもそう呼ばれていた。そんなMickymouse(本家のミッキーマウスには申し訳ないが)が、立派に成長したことは嬉しい。また、しっかり皆さんのお役に立っているのかと少々不安もある。テクノロジーは進化しており、新しいテクノロジーをどう取り入れていけるのかが今後の課題である。
そんなSOLIDWORKS Simulationの弱点を補うのが SIMULIAWorks構想だ。なかなかつぶれない(大きなひずみや変形を発生させることが難しい)四面体要素。変更できない繰り返し収束計算ロジック。もう少し、というところなのに収束しない問題に手が届くようになる。それが、SIMULIAWorksだ。SOLIDWORKS Simulationは、設計者が、SOLIDWORKSを使いながら分岐点で立ち止まった時、背中を押してくれるツールであった。そんな設計者も、流用設計だけに頼らず、新しい切り口からモノを判断しなければならない。「新しい」モノには、過去のデータは通用しない。そこで、力を発揮するのが多彩な「オプション」である。SIMULIAWorks構想をけん引する ABAQUSは、もともと非線形解析用に開発されており多様なニーズに応えられるよう「オプション」機能がけた違いに多い。反対に言えば、専門家向けで「デフォルト(初期設定)」されているものが無いので、何から何まで自分でやらなければならない。一言でいうと、面倒くさい。この面倒臭さを排除したのがSIMULIAWorksである。SOLIDWORKS Simulationで設定したスタディモデルを転送すれば、変更したい部分だけの「オプション」をきめ細かに使用し、変更できる、という簡単さ。それでいて、解析時間が、数倍違えば、設計者にとってのメリットは大きいであろうと推測する。
話しは変るが、SOLIDWORKSの親会社であるダッソー・システムズ社とお付き合いのある企業様をご存知だろうか。国内外を問わず、自動車関連企業、航空宇宙関連企業様の名前は多い。もともと航空機メーカーのダッソー・アビアシオン (Dassault Aviation) がグループ起源の企業であるため、この業界の知見を元にビジネスを展開し、こと「解析」には大きな投資をしてきた。近年では、流体解析に関わるテクノロジーを吸収し、製品化を推し進めている。SOLIDWORKSをプラットフォームに、スケーラブルな「解析」ソリューションについて知っていて損はない。
原理・原則。
役割を果たすための理屈。原理を成り立たせるための条件。エンジニアが忘れてはならないことの1つである。CADやCAEは、設計の効率化や開発期間短縮に一定の効果をもたらしてきた。流用設計では、既にある「構造」を元に改良ができるので、CAD/CAEの効果は絶大である。一方、新規設計においては製品の「価値」「機能」そのものが起点になる。この重要な「価値」とか、「機能」には、残念ながらCADやCAEは適用できない。という考えの元に生まれたのが1DCAEという考え方である。日本人は、模倣が上手い。いや模倣したものを改良して、元よりもっとイイものにしてしまう。しかしこれから先の将来、新しい「価値」、新しい「機能」は、さらに期待される時代になる。ここにこそ機械にはできなくて人間が担わなければならないモノが存在する。そうでなければ、あなたにに代わって、AIが担ってしまうかもしれない。
3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2020 では、シミュレーション技術の変遷を感じながら、以下の11月12日(木)ライブセッションをお楽しみください。ライブ配信セッション視聴には、11/12正午までの事前参加登録が必要です。
オンデマンド配信は、11月19日から。11月27日(金)正午までの参加登録が必要です。お見逃しなく、ご参加下さい。お早めに参加登録をお済ませ下さい。
お伝えします! SOLIDWORKS Simulation の全て
SIMULIAworks 最新製品 ~ SOLIDWORKS Simulationユーザーのためのハイエンド CAE
SIMULIA によるシミュレーションデジタルトランスフォーメーション
手戻り削減に貢献する1DCAE を活用した想定設計とは
社員一同、皆様のご参加を心よりお待ちいたします。