SOLIDWORKS MBDを使ったデータム記号の配置

SOLIDWORKS MBDにおけるデータム記号の配置についてよく質問をいただきます。今回はこの点について検討していきましょう。
4つの主要な配置タイプがあり、サーフェス、引出線、寸法線 、幾何寸法と公差 (GD&T)のフィーチャーコントロール枠のいずれかに配置できます。どれを選択するかは企業によって異なるため、SOLIDWORKS MBD では下記図1,2,3,4にある通り、全てのパターンに対応しています。


図 1. データム記号Aをサーフェス上に配置


図2. A データム記号Aをサーフェスの方向指定引出線に配置


図 3. データム記号Bを寸法線上 に配置

図 4. データム記号B をGD&T フィーチャーコントロール枠に配置

図1,2で寸法線上への配置がグレイアウトされているのに気づかれたかもしれません。これはデータム記号Aの定義対象がサーフェスでありサイズフィーチャーではないためです。ここでは記号は付与対象となる寸法値をもちません。図3で寸法値への配置オプションが選択できるのは、データム記号Bが幅値フィーチャーを定義しているためです。このフィーチャーは寸法値をもつため、データム記号をその寸法線に付与できるわけです。
図3で着目したい重要な点はSOLIDWORKS MBD が自動的にデータム記号Bの引出線を幅値寸法線と矢印の先頭に合わせているところです。Bの引出線の長さは調整できても、寸法線の延長線上でBを上下に動かすことはできません。これは偶然でも、見た目のためでもありません。ASME Y14.5 規格の要件なのです。幅フィーチャーを指示するにはデータム記号を寸法線の矢印の先頭に合わせる必要があります。以下に規格の抜粋を掲載します。「データムが軸線や中心平面である場合には(記号を)サイズフィーチャーの寸法線上、もしくは寸法線上に配置する。2つの矢印を配置するスペースが確保できない場合は、1方をデータム三角記号に置き換えてもよい。」
他方、図3で、データム記号Bが寸法にあわせて配置されていなければ、その記号は幅フィーチャーではなくデータム平面を定義したものです。図5がその例です。

図5. 寸法線に沿っていない記号Tは幅フィーチャーではなく、平面データムを定義

幅以外でも、これに該当するサイズフィーチャーがあります(例:球、穴)。図 6 はデータム記号を球径寸法に付与している例です。

図 6. データム記号を球径寸法に付与

最後に、図7のようにデータム記号のスタイルをプロパティマネージャーで調整することも可能です。結果はすぐにビジュアルに確認できます。実際にお試しください。

図 7. プロパティマネージャー上のデータム記号のスタイル
SOLIDWORKS MBD を活用したMBDの実現方法について詳しくお知りになりたい方は、下記のビデオとその 製品ページをご確認ください。またTwitter (@OboeWu) (英語)でのディスカッションにもぜひご参加ください。

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