プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ04 – フリーフォーム(自由形状)で作ってみた!

2016年2月からスタートしたソリッドワークス・ジャパンブログ今年最後のブログは、大人気の「プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ」で締めくくります!

追加スケッチを描く。
こんにちは。今回からは、前回作った本体(基本形状)に自由形状で装飾を加えていきます。お待たせしました、Sub-D機能(自由形状作成機能)の登場です。装飾する場所に、追加のスケッチを2つ(正面方向と奥行方向)描きます。この場合、用意されている基本平面(正面、平面、右側面)に描くのではなく、正面から見たスケッチは本体の面上に直接描きます。平面(上)から見た奥行のスケッチは、新しい面(参照平面コマンドで作成した面)に描きます。コンセプトスケッチからフリーラインを選択し、スムージングをONにして、ペンタブレットでササッと。写真にあるように、ちょうど後輪部分、ペダルとチェーンなどを覆うためのふくらみの形状をラフで描いてみました。この時点で2つの絵を俯瞰で見ると、3Dデータ作成前にもかかわらず、形状のイメージが掴めます。

粘土と紙の話。
さて、自由形状。と、その前にお伝えしたいことがあります。いつも脱線が多くてスミマセン(笑)。このブログを読んで頂いている皆さまに、あれこれお伝えしたいことがとても多く、本題の進み具合がスローペースになってしまいますが何卒お許しください。実は、今日のブログに至るまでに、Sub-Dの遊びと練習を兼ねて、自由形状(連続的な曲面で構成される形)をいろいろ作ってみました。その結果、大きくわけて2つの方法で対処していくことで、いろいろな形状が作れました。2つの方法、それは「粘土」をグニャグニャやるか、あるいは「紙」をグシャグシャするか。(場合によって粘土&紙のグニャ&クシャ複合もあります。)今まで3Dデータ作成ソフトを使ったことがない方、あるいは「3D」と聞くと力んでしまう方へ、「粘土細工」「紙細工」といった言葉はどう感じますか?「あ、工作かな?自分にもできそうだ!」なんて思いませんか?主に3DCADには、ソリッドCADとサーフェスCADの2種類があります。前者が粘土細工、後者が紙細工みたいな感じです。SOLIDWORKS Industrial DesignerはSOLIDWORKSブランドだけに、ソリッド(固体)という概念を持つソフト。つまり、ここまでに作ったデータは、中身の詰まった粘土でできていると思って頂いて構いません。とは言え、SOLIDWORKS Industrial Designer(SOLIDWORKSも同様)はサーフェス(紙)も使えるので、粘土細工と紙細工の両方ができる優れたソフトです。「3Dデータ作成」というと難しそうですが、作業工程は現実の工作とあまり変わらないように私は感じます。単にバーチャルで粘土や紙を材料に工作する。覚えるコマンドが多いのは確かですが、それらは工作の必需品、ヘラやカッター、ハサミやノリと思ってください。

ではグニャグニャしましょう。
さあ本題に戻りましょう。自由形状作成コマンドは、最新アップグレード後に「フリーフォーム」と名前が変わったので、ここからは「フリーフォーム」という言葉を使っていきます。フリーフォームコマンドにはベース形状が複数用意されています。立方体、円筒、円錐、球体、トーラス(ドーナツ形状)、ピラミッドなど。今回はソリッドの円筒を使います。(作りたいものによって、どの形をベースとすれば良いのかは経験を積むことが必要です。私も頑張ります!)まず、デンッと円筒のフリーフォームを粘土のごとく本体に配置します。(追加スケッチを描いた本体の面がセンターになるように配置。)あとは簡単。大体のサイズを数値で指定してから、円筒に現れているワイヤーや点、あるいは面を押したり引っ張ったりしてグニャグニャしながら追加スケッチの外形に沿うように形を整えるだけです。まず、正面から見て形を整えます。正面方向の形が整ったら次に平面(上)方向も同じように整えます。これでおしまい。どうですか、簡単だと思いません?(まだ試していないですが、自動でスケッチに沿わす方法もあります。また別の機会にお話しします。)最後に整え終わったフリーフォームと本体を組み合わせて、融合したラインにRを加えます。

 

今日はここまで。次回はデータを完成させようと思います。今回作っているものは、本体(押し出し:フィーチャー機能)+装飾(フリーフォーム:Sub-D機能)で作成しています。フリーフォームだけで構成されるデザインの3Dデータ作成は、次のアイテムをデザインする時にお話しします。お楽しみに!

【プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ】
プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ01 – SOLIDWORKS Industrial Designer
プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ02 -スケッチを描こう
プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ03 – 基本形状を作ってみよう

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