プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ03 – 基本形状を作ってみよう

ありがとうございました!
ブログ3回目の今回は、前回描いたスケッチをベースに3Dデータを作り始めます。が、その前に、先日東京(11/8)&大阪(11/11)にて行われました「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2016」にお越し頂きました皆様、ありがとうございました!当日は私も講演をさせて頂きました。「やっぱりデザインって楽しい~Sub-Dモデラーを使った体験と発見~」を聞いて頂いた皆様、心より御礼申し上げます。いや~、緊張しました(汗)。講演は生まれて初めての経験、Sub-DモデラーのIndustrial Designerを使うのもまだ慣れていません。頭の中がパニックで何を話したかあまり良く覚えていません(汗)。しかし、この経験を次に活かし、今後はパリッとキメれるよう精進してまいります。この機会を与えてくださいましたソリッドワークス・ジャパン様にも、この場を借りて御礼申し上げます。

輪郭の作成。
さて、本題。描いたスケッチを3Dにしていきます。自分はこれまでSOLIDWORKSを使ってきたので、まずはスケッチのトレース作業をして形状の輪郭を作成していました。紙に描いたスケッチを計測しながらマウスでCADに入力してゆく地道な作業。直線、円、円弧、多角形、フィレット&面取り・・たくさんのコマンドを駆使してトレースしておりました。ところが、このSOLIDWORKS Industrial Designerを使ってみたら、「今までなんてバカバカしい作業をしていたのだ!」「オレの時間を返せー!」と叫びたくなるような、それはそれは素晴らしい機能があったのです!ペンで描いたスケッチが、コマンドひとつで簡単にCADの線に変換できるのです!「お~!スケッチがそのまま使える!」。この感動は何と表現したら良いのでしょうか!3DCADに携わって約20年、やっと3DCADの神様に出会えたといった感じでしょうか(笑)。簡単に輪郭が作成できました。
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2Dと3Dの違い。
ここでちょっとお話を。3Dデータ作成が初めてのデザイナーの方もいらっしゃると思うので、2Dと3Dの違いについて、少しだけ語らせて下さい。2DCAD、イラストレーターなどは2Dソフト。画面に作業面があるのは3Dソフトと同じですが、あくまでも2Dなので奥行きという概念がありません。実際に紙に描くのと全く同じで、単純に紙が画面に貼ってあるような感覚で作業します。しかし3Dには奥行きが存在します。今回のスケッチは、前回のブログでお話しした作業空間の中にあるひとつの作業面に描いたもの。なので、SOLIDWORKS Industrial Designerをはじめとする3Dソフトでは、空間の中で作業面を回転、あるいは任意の角度にすることで、そのスケッチをいろいろな視点から見ることが可能です。実際もそうですよね?スケッチを描いた紙を手に取って机上から離した状態を想像してみて下さい。机上では上からの視点だけですが、空間に紙がある場合、いろいろな角度から見ることができます。真横から見れば、紙は線に見えます。斜めからは、紙は菱型に見えますし、紙面上のスケッチは歪んで見えます。奥行きの有無が2Dと3Dの大きな違い。SOLIDWORKS Industrial Designerではスケッチを描くという2D作業を大切にすると同時に、より自然な感覚で3Dデータの作成作業に移行できるようになっていると思います。
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基本形状の作成。
本題に戻ります。輪郭(つまりセンター断面の形状)が作成できたら、輪郭を押出して(厚み付け)基本形状を完成させます。輪郭を押出して基本形状を作成するのはソリッドCAD全般と同じ仕様なのでラクな作業。次に必要なRを付けて本デザインの基本形状が完成。さてここからは細部の作成。Sub-D機能の登場です。自由形状(自由曲面が多い形状)は、このSub-Dで作成するのが大変便利!と聞きます。粘土細工のように、押したり引っ張ったりして作りますが、私はまだまだ初心者。皆様とSub-Dの楽しさを共有したいので、次回のブログまでもう少々お待ちを。腕を上げるために練習を積んでおきます。
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最後に、このブログで紹介している自転車展示用ケースのデザイン業務は、ニューウェーブ「しずおか」創造事業 “つなぐデザイン” 開発商品(公益財団法人静岡産業振興協会主催)の一環で、2017年初旬に展示会で試作品を展示する予定です。詳細はまた後日改めてお話しさせて頂きます。お楽しみに!

【プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ】
プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ01 – SOLIDWORKS Industrial Designer
プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ02 -スケッチを描こう
プロダクト デザイナー阿武優吉ブログ04 – フリーフォーム(自由形状)で作ってみた!

SOLIDWORKS Industrial Designerに関する詳細は、下記バナーをクリックしてホワイトペーパーを確認いただけます。

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