特集:フォーミュラカーを自作するぞ! 第四回
9月5日(火)から9月9日(土)静岡県のエコパで「第15回学生フォーミュラ大会」が開催されました!ガソリン車(98校)、EV車(17校)が参加し、アジアでは日本だけで開催される国際大会のため、タイ、中国、オーストラリアなどからの参加もみられました。日本で初めて学生フォーミュラ大会が開催された2003年には、17校だった参加校が昨年から100校を超えるようになり、今年は20-30校が予選で落ちているということです。「特集:フォーミュラカーを自作するぞ!第一回」でもご紹介しましたが、1980年アメリカで始まった学生フォーミュラ大会ですが、現在は日本やイギリスでも開催されています。学生フォーミュラ大会は、技術者の育成、技術も含め総合人材育成を目的に実施ているそうですが、イギリスではレーサーの育成も目的の1つだそうです。
1日目・2日目は静的審査(車検、コスト、デザイン、プレゼンテーション等)が行われ、車検に通ったチームが動的審査(アクセラレーション、スキッドパッド、オートクロス、エンデュランス等)と多くの項目で審査が行われ、各種目ごとに得点がつきます(各種目の詳しい内容、得点配分は学生フォーミュラ大会公式ホームページで確認いただけます)。各校トラックでマシンをエコパまで運び組み立て、車検に挑みます。エコパの駐車場には、2tトラックのレンタカーがずらっと並んで、レンタカー屋さんの駐車場のようでした。早稲田大学の藤井さんによると、東名高速のサービスエリアも関係者の車でいっぱいだったそうです。車検に合格できないと次の審査に進めず、通るまで何度も検査を受けます。ただ、学生ではその場では修理できないときのためにプロの方も控えていて、どうしても直せない場合は、プロの方にお願いすることもできます。
エコパスタジアム2階の周りをぐるっと、各チームのピットして利用していて、近くでマシンを見ることができます。各チームマシンの詳細をパネルにしてピット前に展示していて、SOLIDWORKSでの解析画像等を展示してくれているチームもありました。質問や写真撮影にも親切に対応してくれるので、車が好きな方、ものづくりに興味のある方は楽しすぎて1日ではまわりきれないかもしれないですね。
今年は、京都工芸繊維大学が2年連続総合優勝を達成しました。第2位:芝浦工業大学、第3位:名古屋工業大学、EVクラスは名古屋大学が優勝しました。最終日午後に行われた、トップチームのエンデュランスは迫力もあり、やっぱりスピードやコーナーでの運転のテクニックも違うな!と思いました。スタートをずらして2台づつ走るのですが後にスタートしたマシンがどんどん距離を縮めて追い抜くか?!とハラハラしたり、途中でも止まってしまったチームもあったり、パイロンすれすれのコーナーテクニック見せてくれるチームもありで、一喜一憂し「すごい!」とか「あ~。。。」とか声を出して観戦していました。第15回学生フォーミュラ大会の結果は、大会公式ホームページでご覧いただけます。
この特集記事第一回から三回の取材に協力してくれた早稲田大学Waseda Fomula Projectチームには、初日車検前のマシン組み立て中にお邪魔をして、今年の出来を伺ったところ、マシンの出来にはそこそこ自信がありそうでしたが、エコパでの走行練習ができていないということで、運転の方が心配だというお話でした。早稲田チームのマシンは、レンダリング画像で第三回ブログで紹介しましたが、実際のマシンはステッカーチューンされ何となく貫禄がある感じに仕上がっていました。黒っぽいカラーリングのマシンが多い中、赤、白、オレンジというカラーも目立ってよいのではと思いました。
結果は、2年連続の全種目完遂!3分の1近くが何かの種目で得点が取れないという現状の中、マシンが壊れることもなくすべての種目で得点を獲得できたのは、素晴らしいことです!しかし、総合10位という目標をたてていたそうで、それには及ばず総合24位という結果になりました。大会終了後、リーダーの鈴木さんにお話し伺ったところ、「開発体制や走行会の運用など運営面や、冷却系などで車両の信頼性の課題を解消しきれませんでした。新チーム体制を含め今プロジェクトの分析をしっかりと行い、来年こそは総合10位の獲得を目指します!」とすでに気持ちは来年の大会に向いていました!来年も頑張ってください!
【特集:フォーミュラカーを自作するぞ!その他の回】
フォーミュラカーを自作するぞ!第一回
フォーミュラカーを自作するぞ!第二回
フォーミュラカーを自作するぞ!第三回