10万kmの高度に到達するエレベーター建設を目指す宇宙エレベーター協会
SOLIDWORKS WORLD2016 2日目のGeneral Session、前回のブログで山崎執行役員のコメントにあったように、会場を沸かせた日本から宇宙エレベーター協会(Japan Space Elevator Association:JSEA)の会長である大野修一氏と、デビン・ジェイコブソン(Devin Jacobson)氏が、日本から初めて登壇しました。進行役のStrategy and User AdvocacyのVice Presidentのスチット・ジェン(Suchit Jain)からは、「今回もっとも遠くから来て、今後もっとも遠くに行くと思われる2人」と紹介されました。SOLIDWORKSコミュニティのイノベイティブなユーザー事例として、 壮大なプロジェクトの活動内容を語ってくれました。
「人類は増え続けており、現在の約70億人が今世紀末までには110億人に増加すると予想されます。このままでは地球の資源は完全に枯渇してしまいます。地球から離れたところに巨大な太陽光の発電装置を設置したり、有用な鉱物を宇宙から取得してくるなどの取り組みが必須になってくるのです」と大野氏は語ります。
「なぜロケットではだめなのですか?」との質問に対して、「現在、宇宙へ行く唯一の手段はロケットですが、多くの荷物を運ぶのには適していません。そこで期待されるのが「宇宙エレベーター」です。宇宙と地上をつなぐ全く新しい輸送機関を作ることで、安全かつ経済的に、重い資材や鉱物を大量に搬送することができるでしょう。」と答えました。
JSEAの目標は、10万kmの高度に到達するエレベーターの建設です。20以上の大学チームが、このプロジェクトに参加しており、クライマー(昇降機)の軽さ、運べる荷物の重量、エネルギー効率などのテーマを絞って、チャレンジを続けています。
写真は大野氏ご自身がSOLIDWORKSを操作し、PhotoView 360で作成したレンダリングで、SOLIDWORKS WORLDでは披露されなかった画像です。
「JSEAの一員でもある大林組は、2050年までに宇宙エレベーターを作るという構想を発表しています。実現すれば、真の宇宙時代の序章となるに違いありません」と大野氏は壮大な夢を語りました。
SOLIDWORKS WORLDでの宇宙エレベーター協会の発表について、宇宙エレベーター協会のホームページでも紹介しています。ご興味のある方はこちらからご覧ください。