設計者だけのものじゃない---SOLIDWORKSの将来性
今回は、SOLIDWORKS WORLD 2016(2016年1月31日~2月3日開催)に参加したマーケティング部コミュニティ担当山下からのレポートをご紹介します。
SOLIDWORKS WORLDに参加するのは、今年で6回目になります。毎年メインテーマがカッチリ決まっているSOLIDWORKS WORLDですが、今年一番強く打ち出されたキーワードは、「イノベーション・プラットフォーム」でした。世間ではIoTだ何だと騒がれていますが、製造系のニュースを読んでも、うーん?? 結局IoTって何なのさ。と思っている方も多数いらっしゃるのではないでしょうか。
SOLIDWORKSの将来性について、何年か前には、このままデスクトップCADへの投資をちゃんと続けてくれるのか?!―――世の中のソフト屋さんがいっせいにクラウドクラウドって騒ぎ出し始めて、自分のところが使い始めたSOLIDWORKSが、このまま、いきなりクラウドに舵切りするなんてことはないよねっ??!―――こんな、噂話があること、ないこと流れたものです。
そんなユーザーの皆さまの期待と不安への『答えの方向性』が示されたのがSOLIDWORKS WORLD 2016でした。
従来から日本の生産現場では、プロセスの上流である設計よりも、実際の使用者、エンドユーザーに近い製造の方が、力を持っていた時代が長く続きました。これは、ひとえに設計と製造が遠かったというよりも、工程の下流である製造が、設計者の意図を汲んで、作る上での職人技量で、最後の仕上げをうまくやってくれていた、ということなのだと思います。
最近では、Fabレスつまり、工場をもたない、小さなメーカーも多数誕生しています。こうなるとつくる時の工夫を以前のように期待できないようなケースも当然生じます。デザイン・設計する人と、実際にモノをつくる人は、地域も、人種さえもさまざまというケースがあるのが現実です。こうした時に役に立つのが、3次元データです。3Dで設計者の意図を伝えられるSOLIDWORKSの出番なのです。
話は変わりますが、私の仕事の1つにSOLIDWORKSのユーザー事例の取材があります。もう何年も前ですが、旭化成ケミカルズ株式会社様での梱包設計にSOLIDWORKS API*を活用されているお客様取材がありました。その時に感じたことは、「SOLIDWORKSは設計ツールだけどCADだけじゃないんだ」ということ。その現場では、SOLIDWORKSのAPIを活用して自動的に自社製品の梱包設計ができるシステムを構築していました。旭化成ケミカルズ株式会社様のAPI事例はこちらからご覧ください。
その時には、SOLIDWORKSの将来性を、強く確信したおぼえがあります。その話は、APIが公開されているSOLIDWORKS APIをフルに使いこなした、SOLIDWORKSをベース プラットフォームとした自社システムの構築例だったのです。まさに今回のSOLIDWORKS WORLD 2016で話題にされた「イノベーション プラットフォーム」でした。SOLIDWORKSは、ものをつくる人にとって一番使いやすい道具であるだけではなく、そこからの拡がりを大きく示してくれたのです。
さて、SOLIDWORKSのCEOジャン・パオロ・バッシが語る「プラットフォーム」については、この先のリンクに詳細を譲りますが、来年のSOLIEWORKS WORLD 2017は、初めてロサンゼルスでの開催。来年のSOLIDWORKSはいったいどう進化を遂げるのか。私もとても楽しみでもあります。
今回のSOLIDWORKS WORLD 2016の公式Reportサイトはこちらからご覧いただけます。
最後に、ここ数年SOLIDWORKS WORLDに連続して参加いただいているSOLIDWORKSユーザーの土橋さんがMonoistに寄稿されている、記事の記事のリンク(連載のうちの1回分)をご紹介して、投稿の締めくくりとしたいと思います。