電気回路
正月早々、大雪、火事、干ばつ、と世界中に発生する災害のニュースが後を絶たない。今年もどうなってしまうのかと不安は募るばかり。「備えあれば患いなし」まずは防災グッズ、備蓄品と、定期的な見直しはしているつもりだが、いつも購入するかしないかで迷っているものがある。ラジオだ。ラジオごときで悩むのか、と思われるかもしれないが、ラジオなど聞く気もないのに、どうせなら日常で使えるようなデザイン性がどうのこうの、とか、安いのをとりあえず買ってまた考えればイイじゃない、とか、何を買ったところでクレームが入りそうで、とりあえず今あるラジオが長いこと防災バックに詰め込まれている。防災バッグに鎮座しているラジオは、手回し充電機能しかないアナログチューニングのラジオで、ネットで見かけるUSBからの充電、スマホの充電機能もなく、乾電池でも使えないし、LEDライト機能も無い。ナイナイづくしなのだが、音は聞き取れるのでラジオとして問題はないだろう、と次のラジオの購入を決めかねているわけだ。
スマートフォンが生活必需品となった昨今、災害時でもスマートフォンは必須であり“電力の備蓄”が不可欠な時代になった。今どきは充電式モバイルバッテリーの方がコンパクト、軽量で重宝だろう。こと災害時となると長期間に渡り充電できることの方が重要となり、家中のリモコンから電池を取り出してでも使える乾電池式のモバイルバッテリーが活躍するに違いない、と想像してしまうのは昭和のおっさんだけか。ネット上では、様々な企業から乾電池式モバイルバッテリーが販売されている。エンジニアであろう読者の皆様は驚きもしないのだろう事実が、凡人である筆者を驚かせた。ネット画像で表示されるほぼ全ての製品が、直列回路を採用しているのだ。お恥ずかしい話、自分は、100%並列回路を予想していた。小学校で電池のつなぎ方と豆電球の光り方を実験し、電池のつなぎ方で、豆電球の明るさが変わることを学習した筆者は、乾電池式モバイルバッテリーの良さは、長期間に渡って充電することができること、にあると勝手に思い、電池の減らない並列回路で設計されていると固定概念の上に想像していたわけだ。一般消費者と、機能を提供する企業、つまり市場では、乾電池式モバイルバッテリーにも充電式モバイルバッテリーにも、同様な機能=可能な限り高速な充電、が期待されているのであって、筆者のようなへそ曲がりな考え方はマイノリティなのだと実感する。
社会環境の変化に伴い、人間の生活を豊かにしてくれる製品は確実に変化している。モバイルバッテリーと言っても多種多様、100円ショップでも購入できる。便利な世の中だ。機械として組み立てられ、人間に似た種々の動作機能を発揮するものと定義されたロボットは、長年に渡って多様に開発され製品化されてきた。昨今、例えば介護作業を代行するロボットのカタチは、もちろん機能にもよるのだが、必ずしも人間に類似している必要もなく、人間を癒す、という新たな機能を搭載して別なカタチで製品化され市場を賑わしている。人間の様々な癒され方ニーズに応え、新しい癒され方(機能)を作るために、直列回路や並列回路設計のような原点的考え方を持ち、製品の発熱、電気使用の節約を考え、資源の無駄づかいにならない地球にもやさしい機能であって欲しいと願う。