SOLIDWORKS Simulation 2018ハイライト:新Topology Study

SOLIDWORKS Simulation 2018に「トポロジー スタディ」という新しいタイプのスタディが導入されました。設計者やエンジニアがこのスタディを使用すると、質量を最小化した革新的な部品を開発できます。トポロジー スタディでは、線形静荷重と拘束条件に基づき、目標質量になるまで、あるいは最適な剛性対重量比の形状になるまで、有限要素のメッシュから要素を「取り除き」ます。要素除去は、繰り返しのプロセスで、最大許容変形や製造制御のようなスタディの制約条件による制限を受けます。
では、私が最近実施した単純な例でこの新しいスタディを詳しく見てみましょう。表示されているモデルは、シンプルなガス アシスト型ヒンジ リフト機構です。今回のタスクでは、青い構成部品の剛性を維持しつつ質量を落として、設計を改良してみます。

設計改良プロセスの最初のステップは、ヒンジ使用時のリンクにかかる荷重を確認することです。現在リリース中のトポロジー スタディは、シングル ボディの部品にのみ適用でき、アセンブリ部品の動きによってリンクにかかる荷重には適用できません。アセンブリ部品の動きを解析すると、リンク結合部にかかる荷重を計算できるので、これを転送して、部品解析を実行します。下の画像では、青いリンク部品にかかる荷重は、黄色の矢印の長さで表現され、ガス ストラットの最大荷重も表示されています。

部品の静解析スタディは、トポロジー スタディを実行する前に行うのが良いでしょう。これは、荷重が加えられた場合、構成部品の降伏強度を超えない程度の小さいたわみと応力しか発生しないことを検証する「線形静解析仮定」が適用できるかどかを判断するためです。

トポロジー スタディの作成は、静解析スタディの場合と同じ。材料、荷重、拘束条件を適用するだけです。異なる点は、ゴールと制約条件(Goals and Constraints)および製造コントロール(Manufacturing Controls)の2つの条件入力です。

トポロジー スタディのゴールは、部品の質量または変位を最小化すること、または剛性を最大化すること(剛性と重量の最適な比率)のどちらでもかまいません。最初は最適な剛性対重量比(best stiffness-to-weight ratio)オプション(剛性の最大化)を使用するとよいでしょう。

トポロジー スタディで構成部品の最大変位を超えないようにするには、最大変位を最小化(Minimize Maximum Displacement)のオプションまたは変位制約による質量最小化(Minimize Mass with Displacement Constraint)のオプションをゴールに使用します。3つのゴールすべてが質量の最小化をゴールにしていることに気づかれるかもしれません。重量削減ゴールの変更による影響を示したものが、下の画像です。

スタディ設定の最後のステップは、製造コントロールの追加です。この条件追加は、オプションで、スタディの実行に必須ではありません。ただし、スタディ結果の形状を制御できるとともに、下流の製造方法も検討できます。製造コントロールには、トポロジー プロセスからモデルの領域を除外できる「保持領域(Preserved Regions)」、最小限の厚みを設定する「厚み制御(Thickness Control)」、「モデル対称構造(Model Symmetry)」、鋳造制約を付ける「モールド解除引っ張り方向(De-Mold Pull Direction)」があります。

SOLIDWORKS Simulationは荷重ケース マネージャーをサポートしています。この機能は、ヒンジ使用中のすべての荷重に対応できる最小質量部品を確認できるため、このような比較型シミュレーションには最適です。


トポロジーの結果が得られたら、どうすればよいでしょうか。3Dプリンターを利用できる場合は、トポロジー スタディの結果をスムーズ メッシュとしてエクスポートしましょう。このメッシュを3Dプリンターに直接送信して製造することもできます。プリンターの材料に基づいてさらに構成部品を評価する必要があるかもしれません。

ここで、トポロジー スタディには、従来の製造プロセスが不要だとっているわけではありません。トポロジー スタディの結果は、元の形状にオーバーレイし、従来のCAMソリューション用にカットアウトとポケットを作成する場合のガイドとして使用することができます。

トポロジースタディ、3Dプリントなどの新しいソリューションによって、製品設計に対する期待が変化しています。SOLIDWORKS 2018により、お客様はこのような新しい製造技法・プロセスを活用し、革新的な製品を市場に投入できるようになります。トポロジー スタディと積層造形を併用すると、企業は、既存部品の設計を、部品の重量を削減して変更する、性能(最適な強度対重量比)を改善する、または多くの結合部品を単一の部品にして部品数を削減する、などの変更を試みることができます。
詳細については、トポロジー最適化を紹介するビデオと、SOLIDWORKS 2018 Webサイトを参照してください。

 

大澤 美保

大澤 美保

ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 ユーザーエクスペリエンス シニアマネジャー