製造業に修行は必要なのか

業界の需要に十分に応えていくために素人を短期間で学習させるための仕組み作りが大切だと考える人達によって革新が起きている業界がある。飲食業だ。COVID-19に大きな打撃を受けた飲食業界ではあるが、この時期に生み出された「すきま」時間を有効に活用したいと思う人達は確実に増えている。セカンドキャリアを目指す、定年後の趣味、海外でのビジネスなど、多様な生き方を試行錯誤できる時間ができた、と言っても良い。そんな中で、徒弟制度的な「修行」に絶えなければ一人前にはなれないと言われる●●職人の技を短期間で習得できる「学校」が昨年開校し話題を呼んだ。この学校が重視していることは、「教える→学ぶ」よりも、「身に着ける→実践する」 ということ。自らを「実践調理学校」と言い切っているところに他との差別化が見られる。この学校を運営するのは、飲食業に向けた多様な経営サポートの実績を誇る企業。単に職人技を習得するだけではなく、マーケティング、サービス、テクノロジーの専門家による講義もあるらしい。食とエンタメ、地方創生、街づくり、リモート海外進出、地産地消と雇用創出、海外人材育成、などなど、様々な視点から事業領域を開拓しようとしている企業だからこそのなせる事業なのか。

 

2023年3月、調理学校とは異なるタイプの「リモート修行?」のオンライン学校も開校している。こちらは、「仮想完全個別指導」をキーワードに、すきま時間をオンラインで学び、週末はすし店で実践的実習を行うなど、目的別に学習コースを選択できるしくみですしを握る技術を学ぶ。当たり前の話ではあるが、一般的な調理学校では、学んでから、実践する。専門の先生が「見せた」ところで、実際にやってみるとうまくできない。いわゆる見様見真似では、覚えたようで覚えられないのが現実らしい。その点、オンライン学習で、予め「コツ」を学習しておくことで、自分のペースで学ぶことができ、スムーズに実践に取り組めるということのようだ。また、テクノロジーを活用して、プロの技と自分の技を画面上で対比させ、どこが悪いのかを確認でき、実践的学習に臨むことができることも大きな効果が得られるようだ。さらに、自宅に学習用の鮮魚を宅配してもらい、自宅で調理(実習)して腕を磨くだけでなく、家族に振る舞って高評価が得られれば、一石二鳥ならず、一石三鳥ぐらいのメリットがあると考える人も少なくないのかもしれない。

 

ふと、製造業に修行は必要なのだろうか、と考える。修行以外の何ものでもない、という人は多いかもしれない。一方、COVID-19のパンデミックを経験して社会に出てきたエンジニア達は、製造業を「修行の場」とは考えていないだろう。このギャップはどのように埋めることができるのだろうか。現代は、失敗させることができない時代。それが本当なら新人達から「革新」は生まれないかもしれない。日本は多くの職人を生んできたはずなのに、このままでは、サステナブルではなくなってしまう。現役のすし職人らが自ら作成した学習動画には、「修行(技を磨くため、努力して学ぶ)」を経験してきた先達の、失敗と成功、その裏側の努力が全て凝縮されていると想像できる。全てを見せて、業界の将来(職人不足の解消)を支えようとしている。

SOLIDWORKS

SOLIDWORKS

Dassault Systemes SOLIDWORKS Corp.は、データの作成、シミュレーション、管理、テクニカル コミュニケーション、電気設計、ビジュアリゼーション、コラボレーションを行い、エンジニアリング リソースの革新と生産性を達成するための完成されたソリューションを提供しています。