上越新幹線「MAX」引退

鉄道ファンではない筆者は、MAXの引退を知らなかった。
1985年に登場し、東海道・山陽新幹線以来続いた2階建ての新幹線は、これですべて姿を消すことになったらしい。総2階建ての上越新幹線MAXは、最大定員数1,634。東海道新幹線の1,323に比べても圧倒的な輸送量を誇っていた。車体はアルミニウム合金製。先頭車は、炭素繊維の複合材とアルミ車体の合体だそうである。MAXは、1994年E1系車両でデビューしたが、今年ラストランで走ったのは、1997年に営業をスタートしたE4系車両。その先頭車両のカタチは大きく変化している。いわゆるノーズ、先頭車両の「鼻先」の長さは、形式が変わるごとに伸びており、MAXとは異なるフォルムではあるが、E5系では、すでに15.0m。先頭車の全長27mの半分以上が、「鼻」で占められている。「鼻」だけとっても、話はつきないのが鉄道だ。関西の読者のために申し上げると、2階建て車両の登場は、大阪が初で、1958年には、既に近鉄が一部2階建ての特急電車の営業を開始している。まぁ、鉄道ファンではなくても、日本の鉄道技術はすばらしいと思って間違いない。

登場があれば、引退がある。当たり前の話ではある。2階建て車両登場のきっかけは、東海道新幹線のそれと、東北・上越等新幹線のそれとでは少し異なっていたようだ。東海道新幹線は、花形路線であり、そのイメージ向上のためにグリーン車や、個室、展望レストランなど、サービスに目が向けられていた。一方、東北・上越新幹線は、1990年代の関東圏のベッドタウン拡大により新幹線通勤が増加し、輸送量強化が急務だったことがあげられる。当時の「輸送量強化」には、大きく貢献したE4系車両ではあったが、2階建てであるがゆえの重量の壁はなんともしがたく、他の新幹線車両が「速さ」を売り物にどんどん高速になっていくのに対し、最高時速が上がらないE4系の速度は、ダイヤ乱れの原因、お荷物ということになる。また、高齢者社会に向け、景色の良い2階に高齢者が集まると、バリアフリーではない階段は、乗降をも妨げる。二兎は得られないのが現実なのか。

「輸送量」と「速さ」は、常に、航空機産業における2つの課題であることは、良く知られている。一方、「個人」の目的を重視する自動車は、自動運転技術(テクノロジー)によって、恐らく「文明」が大きく様変わりしようとしている。一見何の共通点もないデータを分析することで大きな潜在的ニーズや現実を把握できる環境は、自動車産業だけではないはずだ。要はそれを知っていて、使い始めているかどうかだ。製品開発をする1つ1つの要素とは、互いに作用しあうものなのに、そこから導き出されるアウトプットが「たった1つ」というところに疑問が残る。たくさんのアウトプットを作り、作用させることで2次的、3次的なアウトプットを作ることはできないのだろうか。それができないと判断するのなら、AIに任せたほうが良い。新幹線の「鼻」は、永遠に長く伸び続けていくわけではない。

 

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