地震、雷、火事、オヤジ

「地震、雷、家事、オヤジ」とはよく言ったもの。怖いものの代表である。

今年は、なんと雷の多かったことか。そして、近所に、雷が「落ちた」回数も多く、見たこともない閃光と、爆音が、目に、耳にまだ張り付いている。そして何より、落雷により、1つならぬ複数の家電が故障し、家電修理に数万円を出費したことは、我が家にとっては史上初のできごとだった。いずれも製品の心臓部であろう「電子基板」が破損したため、高額になることはや無負えないことは理解するが、原因自体が明らかにはならなかったことが腑に落ちない。とはいえ、このまま異常気象が続く、というより、この気象状態が普通になるとすれば、毎年雷用の修繕費を見込んでおくか、または、雷による過大電流の侵入を防ぐ対策を講じておくべきか、は考えなければなるまい。

落雷した際、拡散するエネルギーにより電磁界が大きく乱され、それによって発生した極端に大きな電圧、電流が、色々な経路で家屋に浸入するため、モノが壊れる。この雷サージ(雷の影響により発生する、短時間の異常な過電圧または過電流)の侵入経路には、電源ルート(電線を通って建物の中に侵入)、地面ルート(地面を伝わって建物の中に侵入)、通信線ルート(過大電流が、LANケーブルや同軸ケーブルを伝わって侵入)、避雷針ルート(避雷針に落雷して、導線や鉄骨を伝わって侵入)、もちろん、モノを壊す確率は低いのだが、空気も電流を伝える媒体となりうる。などなど、様々なルートで異常な大きさの電流が一気に侵入してくるのだから、侵入を防ぐ対策を講じる手立ても一つではなく、複数講じておく必要があろう。市場には、雷サージガード機能付き、の製品などは多く販売されているらしく、それらを取り付けるのが賢明という声もあれば、そもそも電気を通さない光ファイバー回線(FTTH)にするのが賢明、などの声もある。新型コロナウィルス感染の影響で、東南アジアからの部品調達に不安のある給湯器。これから寒い冬を迎えるというのに、故障しても修理は2か月先、というニュースを聞くと、落雷対策はやはり、今や必須か。

製造業企業であれば、雷サージから、工場を守り、ロボットの誤作動を回避する予防策は、講じられていて当然であろう。「守り」の備えは常に大切である。一方で、日本全国各地に各種通信設備を持ち、多くの落雷被害による損害を受けてきた企業が、「落雷制御」のテクノロジーを開発中であることはご存じだろうか。怖いものに挑み「攻め」るのである。ドローンを飛ばして、雷を誘導するためには、まず、雷が発生しているような悪天候の中でも落下しない、高い耐雷性のあるドローンを作ることが重要である。そして、雷雲の発生を予測し、かなり高い、最適とされる場所を特定する技術は、これまでに無いハイレベルなテクノロジーになろう。そして、この落雷の制御技術は、さらに、この何でも壊してしまう憎き「雷のエネルギー」を抽出して、保存する技術に発展されようとしているらしい。守って、攻めて、そのバランスこそ、エンジニア冥利であろうか。このハイレベルなテクノロジーの開発のためには、多くのエンジニアの知恵が必要とされているに違いない。

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