3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2021 に和泉憲明氏ご登壇!
平成30年9月、~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~と題したDXレポートが、経済産業省から発表された(参照:経済産業省HPより)。
多くの経営者が DX の必要性を認識し、DX を進めるべく、デジタル部門を設置する等の取組が見られる。しかしながら、PoC(Proof of Concept: 概念実証、新しいプロジェクト全体を作り上げる前に実施する戦略仮説・コンセプトの検証工程)を繰り返す等、ある程度の投資はあるものの実際のビジネス変革には繋がっていないという状況が多くの企業に見られる現状と考えられる(参照:経済産業省HP 同DXレポート P4、P5)。
と書かれている。今から3年前のレポートだ。
昨年12月のレポート(参照:経済産業省HPより)では、「(2020年)コロナ禍への対応は、ビジネス環境の変化へ迅速に対応できるかのリトマス試験紙である」と書かれている。「危機下においては、経営トップの判断と指示が、社内全体に対して大きな行動変容を可能にした。このような動きを異なる角度からみれば、経営トップの判断は、どんな時であっても大きな変革を短期間に達成できることが再確認されたと言える」とも書かれている。「(このような状況を踏まえると)経営トップのコミットメントの下で速やかに DX に取り組むことが可能であることが明らかになった」のである。
そして、今年8月、変革を加速させるための政策の方向性を取りまとめた 「『DXレポート2.1(DXレポート2追補版)』が公表された(参照:経済産業省HPより)。レポートには、「DX の本質とは、単にレガシーなシステムを刷新する、高度化するといったことにとどまるのではなく、事業環境の変化へ迅速に適応する能力を身につけると同時に、その中で企業文化(固定観念)を変革(レガシー企業文化からの脱却)することである」ため、「今回コロナ禍に迅速かつ柔軟に対応し、デジタル技術を最大限に活用してこの難局を乗り切った企業と、コロナ禍が収束することを願いつつビジネススタイルの一時的な変更にとどまり、既存のやり方に固執する企業との差は、今後さらに大きく拡大していく可能性が高い」と綴られている。
経営者層には、耳の痛い話かもかしれない。
そして「企業の差は大きくなる」ことを突き付けられた従業員として、「我が社は、企業文化を変革することに熱心で、デジタル技術を最大限に活用し難局を乗り越えられるアジリティがある」と胸をはって言えるのだろうか。
これらのレポートを書き上げた人物が、和泉憲明氏だ。
DXレポートには、大いに頷ける点もあれば、現実はそんなもんじゃない、と首を傾げる点もあろう。しかし、データやデジタル技術を駆使し、急速に成長する企業が現れていることが事実であることを理解し、取り組むべきであるというのが、「和泉氏」(経済産業省商務情報政策局
アーキテクチャ戦略企画室長兼ソフトウェア・情報サービス戦略室、デジタル高度化推進室)である。
「攻めのIT投資」「守りのIT投資」どちらを選択するべきか。デジタルを用いたビジネス変革には、経営層の課題をデータとデジタル技術を活用していかに(迅速に)解決していくかという視点と、デジタルを活用することで可能になる新たなビジネス(新しい切り口による製品開発または新しいビジネスモデル)を模索する、という2つの視点がある。DXという言葉に操られることを嫌う経営層があることも耳にはするが、要はDXの実体、何がどう変化するのか、という具体的なイメージをプロジェクトチームメンバーが、腹落ちした深い理解なく、紙媒体を電子化するだけに留まっているのではないかと推測する。であれば、国内外を問わず広く具体例を見てきたMr.DX和泉氏から、今一度、多くを学びたいと思う。