設計次第で板金部品の強度が高まる ?

板金は、自動車、産業機器、建設分野の設計および製造チームにとって常に人気のあるオプションであり、それには正当な理由があります。 板金は強度があり、耐久性があり、成形可能で、軽量でコスト効率に優れているからです。

 

たとえば、板金を使用すると、かさばる鋳造部品や機械加工部品とは異なり、軽量でありながら構造的に硬い部品を作成できます。 また、高価な精密鋳造、鍛造、または 3D プリンティングによる製造技術と比較して、大量生産の費用対効果も高くなります。 最後に、衝撃や振動に容易に耐えられる、剛性と柔軟性を持つユニークな組み合わせの設計が可能です。

このブログでは、3D SheetMetal Creator ロールのツールを使用して、より強力な板金部品を設計するためのヒントを説明します。 3D SheetMetal Creator は、完全なブラウザベースのソリューションで、板金設計専用のツールを備えた xSheetMetal アプリに加え、3DEXPERIENCEプラットフォームで実行されるため、設計を保存、管理、コラボレーションするための他のアプリや機能も含まれています。

曲げ、穴とスロット、およびストレッチ機能は、3D SheetMetal Creator を使用して簡単に実現でき、かつ、強力な板金部品を適切に設計するための重要な特性のほんの一部の機能に過ぎません。さらに詳しく見ていきましょう。

 

1.  曲げ – 部品の形状が崩れないよう、曲げを追加しましょう

曲げることについては、私は「ベッカムに恋して(原題: Bend it Like Beckham)」と言います。つまり、映画の(原題)タイトルが示すように、プロのように曲げてください、ということです。 板金部品に関しては、平らな部品としての使用は避けたいので、板金設計者が設計を開始する際は、通常、曲げを追加していくことが主な方法になります。板金部品は、外側のエッジで破損が発生することが多くあります。部品の剛性が高まり、文字通り座屈して形状が崩れたりすることがないよう、曲げる部分についても考察が必要です。

曲げを追加するときは、材料や厚さが異なれば必要な曲げ半径も異なるため、曲げ半径を考慮する必要があることに注意してください。 半径が大きすぎると、部品が跳ね返る可能性があり、小さすぎると、部品が割れる可能性があります。 経験則として、曲げ半径は板金部品の厚さの少なくとも 2 倍である必要があります。

3D SheetMetal Creator では、xSheetMetal アプリのエッジ上の壁、フラットからの曲げ、ジョグ、またはフランジコマンドを使用して曲げを実現できます。

2. エンボス加工で伸びる、かわいくて丈夫なパーツ

曲げ半径を決定したら、延伸についても慎重に考えたいですよね。金属の原子レベルでは、金属シートを特定のパターンに配置された原子の格子で構成されていて、これに力が加えられると結合が変化し、再配置できるようになるのです。この原理を利用して、特定の方向に伸ばすプロセスが、ストレッチ(延伸)です。 金属の原子を特定の方向に向けることによって板金が強化されることにもなります。また、板金設計に美的側面も追加されます。

延伸は、成形パンチやビーズエンボスなどのエンボスを追加することでも実現できます。 3D SheetMetal Creator では、ユーザースタンプコマンドを使用して、目的の形状を作ることも可能です。この機能によって、スタンプされたジオメトリを作成するための複雑なモデリング技術が不要になり、お気に入りのサプライヤーのツールジオメトリを使用して板金モデルを形成できるようになります。 定期的に使用するスタンプと形成されたツールジオメトリのライブラリがある場合は、それらを 3DEXPERIENCE プラットフォームに保存して、必要に応じた使用もできます。 ソリッドボディであれば、設計用途を問わず使用可能です。

 

3. 穴とスロット – 切り抜きが多いほど楽しい

設計上、過度のカットアウトを備えた軽量部品がよく見られます。 なぜ? カットアウトは部品を軽量化するだけでなく、製造プロセス中に板金部品の強度をさらに高めるためです。

意外に聞こえるかもしれませんが、板金の製造作業中にカットアウトが作成されると、ダイキャビティへのパンチ動作により材料がわずかに引き伸ばされ、金属の粒子の方向が再調整され、板金部品は強化されるのです。

カットアウトは応力集中の軽減にも役立ち、部品に負荷がかかるとき (使用時) に荷重を分散するのにも役立ちます。

 

3D SheetMeal Creator を使用すると、[カットアウト] コマンドを使用して複数のカットアウトをすばやく作成できます。 また、パターン付き穴カットアウト機能を使用して、板金部品に特徴的な穴あきデザインを作成することもできます。

曲げ、伸ばし、切り抜きなどの板金設計機能を追加すると、より強度の高い部品が作成できるだけでなく、製造プロセスが推進され、メーカーが意図したとおりに部品を製造できるようになります。

3D SheetMetal Creator で何ができるかがご理解いただけたでしょうか?今後は、エッジングやリブなどを追加してさらに強力な部品を作成する方法について説明していきます。ご期待下さい。

 

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