機構解析の最新テクノロジー

3D Motion Creator は、現実の世界で製品がどのように動作するかをよりよく理解するのに役立つロールです。最新のリリースには、お客様からのリクエストを含む、多くの機能強化がありました。

3D Motion Creator は、機械の動作など、系全体の運動学および動的解析を行い、かつブラウザーベースで稼働するツールです。直感的で高度なインタラクティブ機能を有しています。 クラウドベースの 3DEXPERIENCE® プラットフォームと接続して、データ管理およびコラボレーション機能も活用できます。

ここでは、R2023x FD03 アップデートの新機能を説明します。最新機能の使用例をいくつか示し、皆様にも 3D Motion Creator を最大限に活用できる方法をご紹介します。

 

まず、座標系からマーカーを自動的に作成し、スケッチを使用して関数値を定義することで、モデルの作成を高速化できます。

 

  1. ジョイント作成中にアニメーションによる即時フィードバック – ジョイントの定義をより深く理解する

モーションジョイントを作成する際、部品がどのように組み合わされているのかをアニメーションで確認できます。 SOLIDWORKS® の合致条件を利用してモーションのすべてのジョイントを定義できますが、特定の位置または方向でジョイントを指定するためのより適切な制御が必要な場合、モーションジョイントを定義して、アニメーションで表示できます。 また、モーションジョイントは、ジオメトリまたはマーカーの選択に基づいても配置できます。

この機能強化により、ジョイント定義の影響を理解し、ジョイント作成時のモデリングエラーを特定できるようになりました。

影響を受けるボディの位置を示すアニメーションを使用して、ジョイント定義に関するフィードバックを即座に得られます

 

 

2. 2D スケッチから関数定義をセットアップ – 関数値をより簡単に定義

最新のリリースでは、新しい「スケッチから」オプションが追加され、スケッチを使用して関数を定義できるようになりましたす。 この機能は、特定の関数を念頭に置いてはいるが、それを数学的に作成する方法がわからない場合に便利なツールです。関数入力にデータポイントやスプレッドシートを使用する代わりに、SOLIDWORKS 3D Creator ロールまたは CATIA Mechanical Designer ロールで作成されたスケッチを入力して使用できます。

[関数] ダイアログ ボックスの [タイプ] のプルダウンメニューからスケッチを選択するだけで、スケッチに対応する関数が自動的に生成されます。

選択した関数は、シミュレーション用のドライバーをセットアップするために使用されます。

この新機能は、CATIA と 3D Motion Creator を使用する世界トップの自動車サプライヤーの 1 つである Webasto からリクエストされました。 たとえば、彼らはスケッチを使用して、コンバーチブルのサンルーフにある様々な機構が、どのように機能するか、アクチュエーターの違いによってどのくらいの距離を移動する必要があるかを調査しているのです。

2D スケッチを使用して、複雑な関数定義を簡単に設定できます。 スケッチ環境で関数定義を準備し、モーション関数でスケッチを直接参照します。

 

 

3. ワンクリックで座標系からマーカーを生成 – 素早くマーカーを作成する

特定の位置にジョイントを定義する必要がある場合は、マーカーを使用して正しいジョイント位置を定義できます。 座標系は、製品のジョイント位置と方向を定義するために使用されます。 座標系は、モーション機構のマーカーにも変換でき、これを機構の下流で使用して、ジョイント、スプリングのエンド位置、加えられる荷重の適用点などのさまざまなモーション要素を定義できます。

3D Motion Creator では、複数のコンポーネントのマーカーを一度に生成できるようになりました。 モデル上のすべてのボディを選択し、[座標系からマーカーを生成] コマンドを使用するだけで、1 つずつ行うのではなく、ワンクリックでマーカーを作成できます。

この機能は、ジョイントを定義する接続ポイントが多数ある複雑なサスペンションシステムを取り扱う自動車産業のお客様からのリクエストです。 ほとんどの接続ポイントは、位置と向きの座標系を使用して定義されます。 これらの座標系は、モーションジョイントを定義するために使用されます。

さらに、お客様は、半透明(スケルトン)アプローチを使用してメカニズムを定義しています。 機構の多くは、機構レイアウトを作成するための軸システムを使用した線と点を使用して定義されます。 これが完了すると、半透明(スケルトン)メカニズムの上に別の 3D ジオメトリが構築され、モーションによってこれら両方の効果が組み合わされます。

このアプローチの大きな利点は、3D モデルの構築時にスケルトンを使用したモーションメカニズムが妨げられないことです。 ジオメトリを変更または更新するときに合致が壊れるなど、ジオメトリの問題を心配する必要はありません。

ワンクリックで座標系からボディ上にマーカーを作成します

 

 

4.ファイルをインポートして関数データを定義 – 柔軟な方法を利用してデータを追加し、エラーを回避

Excel などの外部プログラムからデータをコピーして関数定義テーブルに貼り付ける機能は、前回のリリースで機能強化されました。この機能は、データポイントを使用して関数を定義するために使用できます。

 

Excel ファイルをテーブルに直接入力して関数を定義します。 この機能により、作業時間が節約され、データポイントごとに関数を設定する際のコピー&ペーストによるエラーを回避できます。特に、外部テストから大量のデータを使用する際に、便利です。

 

ご存じでしたか? ファイルの最初の行は、ファイルの単位を定義するために使用されています。 単位が定義されていない場合は、SI 単位でインポートされます。

Excel からファイルをインポートして、関数の定義に役立てます

 

 

5.メカニズムのステータス(状態)情報 – さまざまな変更がメカニズムにどのような影響を与えるかを確認

新しい「メカニズムの状態」メニューでいつでも自由度を確認できます。 たとえば、メカニズムにさまざまな変更を加えた後にチェックして、どのような影響を受けるかを確認したり、冗長性をチェックしたりできます。 冗長性は、特定のモーション ドライバーやジョイントで荷重が適切に計算されない理由を理解するのに役立ちます。

[メカニズムの状態] ステータス メニューを使用して、メカニズムの自由度に関するステータスの最新情報を取得します

 

いかがでしかた?前回のブログも是非ご参照下さい。

新機能のデモが見たいお客様は、お気軽にSOLIDWORKS販売代理店にお問い合わせください。  3DEXPERIENCE Works ポートフォリオもご確認をお忘れなく。

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