「スマートマニュファクチャリング」を理解する

ここ数年、スマートマニュファクチャリングについて、様々なテクノロジーが、世界中の製造業者の現状改善にどのように役立つかということについて、多くのことが語られるようになりました。

そもそも、「スマートマニュファクチャリング」というと、スマートな製造業を実現するための仕組み、のように考えるお客様もいらっしゃるかもしれません。この「スマートマニュファクチャリング」という言葉の定義は、企業や、団体、立ち場によっても異なるようで、DX(デジタルトランスフォーメーション)のような明確な定義が無いのが現状です。

そのため、日本でも、複数の要素から、この「スマートマニュファクチャリング」を定義している場合が多く、つまりは、製造工場の現場から、ビジネスのあらゆる側面において、デジタル化が進んでいる状態、のことを指しているようです。設計・生産・販売・流通・保守運用、といった製造業におけるプロセスが、デジタル化により効率化されているか、ということが議論の根幹、ということです。

 

中でも、COVID-19の猛威により、サプライチェーンの混乱は不確実性を高めました。従来の製造業で行われていた決まった規格のものを多く生産し数をこなしている状況では対応できず、社会情勢の変化にも柔軟に対応できるような仕組みをITを使って実現していく必要性が出てきたのです。また、企業が求めるスキルと、実際に従業員が到達しているスキルには、今だにギャップがあるようで、このギャップが拡大し続けている、という報告もあります。米国の話にはなってしまうのですが、このスキルギャップにより、月あたり 130 億ドルの経済損失が発生しており、悲しいことにその額は今後 10 年間で推定 2 兆 5,000 億ドルに増加するだろう、とDeloitte(https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/about-deloitte.html 監査・保証業務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー等におけるサービス提供グローバルネットワーク企業)は予測しています。 労働力が非常に少ない多くの小規模製造業者にとって、問題はさらに深刻だと考えざるを得ません。

 

ひとつの企業が、業界全体の問題を軽減するためにできることはほとんどないのかもしれません。しかし、どんな規模の企業であっても、より少ない労力でより多くのことを可能にするテクノロジーを活用することはできます。

 

今から、「スマートマニュファクチャリング」に一歩を踏み出すことは、たとえ非常にゆっくりで、段階的に実施に移行していったとしても、全ての規模の製造業企業に、より一層の俊敏性、および効率化、品質精度の向上をもたらし、ダウンタイムを削減して収益性を高めるのに役立つことは言うまでもありません。

しかし、多くの小規模製造業者は、デジタル化に興味が無いのも事実です。「スマートマニュファクチャリング」の導入は、これまで考えていなかっただけに、業務に変化と混乱を生じることになり、投資したにも関わらず利益に直結しない、と認識しているためです。ここで皆様にお伝えしたいことは、「スマートマニュファクチャリング」の第一歩を踏み出すこと、それが企業のメリットを実現できるのかどうかを見極めることの重要性です。

 

もちろん、使い始めるには多少の初期投資がかかります。が、この投資は、機械の停止時間の減少、高品質製造の実践、非効率的な作業の削減、などが実現されることと比べれば、コストのほんの一部に過ぎません。

中小企業が、「製造」におけるデジタル化を開始すべき理由はいくつかあります。

 

効率化の向上  生産プロセスを改善すること。無駄を排除することから始まります。経営者が無駄だと思っていることと、従業員が無駄だと思っていること、に食い違いはないでしょうか。現場からの「声」を集約し、デジタル化することも「スマートマニュファクチャリング」の一環です。デジタル化したデータを使って、「無駄」について、議論し、効率化を推進することは、決して「無駄」ではないことを皆さんは知っています。

 

品質管理の向上  リアルタイムデータとそのデータを分析する。品質上の問題を早く、正確に特定でき、対処できるようになれば、品質は、間違いなく向上します。機械の初期設定、材料、加工時の不確定要素など。「職人技」、で対応してきた処理が、逆に、スキルギャップを生み出している要因かもしれません。誰もが、一貫した製品品質を確保しながら、製造プロセスに関われるようにすることも「スマートマニュファクチャリング」です。

 

変化に俊敏に対応できる企業体質をつくる  特に、生産プロセスは、協業する企業との親密度によって影響を受けやすいと言えます。日本では、企業間の連携は「疎」ではないと考えられますが、海外では、関連企業と、共に、「お客様を増やす」というアクションを重要視していることは事実です。お客様のリクエストに柔軟に対応できる「俊敏性」が求められており、需要に応えられる企業が生き残れる、という生存競争への準備が必要です。

 

カスタマーエクスペリエンスの強化  お客様のリクエストに対し、100%または、それ以上の満足度を提供できれば、次の受注が期待できます。皆さんは、それを知っています。多様化するお客様のリクエストに対し、お客様とのより「密」な連携と、記録が必要です。お客様を巻き込んで、お客様の満足度を引き上げる。その仕組みづくりは、「無駄」ではありません。

 

中小企業の優位性  中小企業の優位性は、「俊敏」に対応する能力と、お客様によりそった「提案」です。大手企業でさえ、前述のように、「業務に変化と混乱を生じさせ、投資したにも関わらず利益に直結しない」と思われているスマートマニュファクシャリングを重要視している企業は少ないでしょう。また、大規模な生産設備を持っているための課題もあります。今こそ、中小企業が、機敏性に劣る競合他社に対して、優位性を発揮できる時です。

 

スマート マニュファクチャリングへの取り組みを開始する方法については、ここ、でも詳細をご確認いただけます。

世界の製造業企業が、SOLIDWORSの提供するソリューションに注目しています。是非、お近くの販売代理店にご相談下さい。

SOLIDWORKS

SOLIDWORKS

Dassault Systemes SOLIDWORKS Corp.は、データの作成、シミュレーション、管理、テクニカル コミュニケーション、電気設計、ビジュアリゼーション、コラボレーションを行い、エンジニアリング リソースの革新と生産性を達成するための完成されたソリューションを提供しています。