より深い理解からより良い設計が生まれる ー Simulationー
CAD/CAM/CAEと言われて長い年月が経ちました。もう30年も経ったでしょうか。私達は、今でも、シミュレーションを使うお客様が、全て、ロケットを造る科学者である必要はない、と強く信じています。この 30 年の間に、ハードウェアは格段の能力を向上させ、そのハードウェアの上で稼働するシミュレーションソフトウェアは、超のつくほど高速な計算スピードを誇り、かつ操作が簡単になった気がします。お客様から、「問題だ!直ぐに来てくれ」の電話が入り、現場を訪問させていただいたことは何度となくありますが、皆さんの直面している、複雑な問題を拝見させていただくことには大変興味がありました。また、私達が提供するテクノロジーもお客様の期待に応え、進歩しているのを感じた時は本当に嬉しかったことお覚えています。しかし、昔は、解決できない問題を再設定して、計算を開始すると、いつ終了するのかわからないゲージを見ながらずーっとマシンの前で待たなければならず、ただただ時間が経過していくのが嫌でした。でも、今は違います。カフェテリアからコーヒーカップにコーヒーを入れて帰ってくれば、計算が終了している、そんな納得感のあるサイクルでシミュレーションの計算が終了するようになりました。良い時代です!
シミュレーションを行うには専門家でなければならないというお客様もまだまだいらっしゃいます。が、シミュレーションについては多くの誤解があるような気がします。私達は、この20年、設計者もシミュレーションができる!ことを実感してきました。そして実際、設計+シミュレーションを、ワークフローの一部として運用している企業様が増えたことは事実だと思います。
ここでは、設計者である「あなた」に焦点を当てて、自信を持ってステップアップし、シミュレーションを実行していただけるよう、ヒントをご紹介したいと思います。 皆さんは、卓説した設計をしたい、と常に考えているはずです。そして、それが、シミュレーションによって可能になることを知っているのです。 シミュレーションを使用すると、プロトタイピングに入る前に製品のパフォーマンスを仮想テストでき、実世界でどのように動作するかを確認できることを知っています。さらに、シミュレーションは、材料の変更、衝突検出、製造可能性に関する指針を提供してくれます。つまり、製品を製造してしまう前に、環境への影響を軽減するのに役立つことも知っているのです。「?」そうなのです。皆さんは、既に自らステップアップの道を歩んでいるのです。自信を持って下さい。
いくつかの決まった手順が必要になる場合もありますが、可能な限り、最高の製品を確実に作成できることが事前に保証されることは、皆さんにとって、非常に貴重なことだとは思いませんか?
さらに、シミュレーションの実行には、以下のような特別な意味があります。
デザインガイダンスー 仮定される様々なシナリオを作って、設計スタディを実行してみる。こうすることにより、より適切な情報に基づいた意思決定を行うことができます。
根拠のない推測に基づく設計の排除 ― シミュレーションによって、あなたにはその決定を裏付ける科学的または数学的な根拠で裏付けることができます。
より良い設計レビュー会議の促進 ― 会議を前に、シミュレーション結果準備することで、より深い理解と、見地をもたらします。
設計から「理由のない考えのゴリ押し」を取り除く ー 「ひらめき」は大切にする必要がありますが、設計に「ひらめき」を埋め込むためにもまた、根拠となる観点が必要です。シミュレーションの結果を示すことは良い例と言えます。
これら、シミュレーションを実行する意味としては、わずかかもしれませんが、大きなメリットとして、「コスト削減」も忘れてはいけません。お客様がシミュッレーションによって得た大きな利益、成功の数々は、是非、ここ でご確認下さい。
設計ワークフローにシミュレーションを追加することを検討しているお客様、またはすでにシミュレーションを活用しているお客様には、次のヒントをご提示してみたいと思います。
シミュレーションは、ともすれば、「保守的」になり新しいことにチャレンジしていない現状から脱却することを手助けします。私達は、 「私たちは、いつもこのようにしてきました」というお客様の声を何度も聞きました。そうです、「今」に問題が無いことは素晴らしいことです。ただ、もっとうまくやれたら、企業に変化が起きるのではないでしょうか。
シミュレーション結果について、セカンドオピニオンをもらいましょう。 Two heads are better than one(三人寄れば文殊の知恵)
「1人で考えるより2人目のアドバイスや知恵もあった方が良い」という英語のことわざがあります。同僚に、自分の実行したシミュレーション結果を見てもうというのはどうでしょう。セカンドオピニオンを持つことはいつでも良いことだと思います。
失敗を恐れないでください。 人間は、成功よりも失敗から多くを学びます。 自動車の運転を習ったり、ピアノを弾いたり、もの事を習得するためには、ある程度の練習が必要です。でも、学習すれば、「自然」に身についていることがわかります。レーシングドライバーになるのですか? オーケストラをバックにピアノの独奏をするのですか? そう、道を究めた専門家である必要はないと思うのです。皆さんの日常的なシミュレーションを実行するワークフローが、必ずや、皆さんを「プロフェッショナル」に仕上げてくれると思います。
まだ迷っているお客様はいらっしゃいますか? ダッソー・システムズは、SOLIDWORKS Simulation、SIMULIA ブランド、およびブラウザー環境で稼働する、3DEXPERIENCE Works ポートフォリオのソリューションなど、あらゆる形態と規模の企業様向けのソリューションを揃え、ご提供しています。
まずは、入口から、そして、徐々に拡大させる、スケーラブルなソリューションにご期待下さい。お近くの販売代理店にご相談いただき、設計ワークフローにシミュレーションを適用する方法を確認して、今日より1歩でも、2歩でも優れた設計を進めて下さい。