創造性を試される 3D Sculptor
アートに興味を持って育ってきた方なら、3D Sculptor の遊び心のある機能に惹かれるのは当然のことです。デジタル粘土を使って形を作るのは最高の体験です。しかし、3D Sculptor はゲームのように楽しい、ことだけをするツールではありません。三角や四角だけではない、本来、お客様が必要とする複雑な形状を作成するのに役立つ強力なソリューションなのです。
三世代に渡るエンジニアリング魂
本投稿のオリジナルを書いたRenan Ichiは、ブラジルのサンパウロ出身で、機械工学の学士号を取得した人物です。おじい様もお父様もエンジニアだったそうで、親子3代にわたるエンジニアリング一家の生まれです。彼が、幼少の頃、すでに物がどうやって機能するかについてとても興味があり、物を分解することが好きだったようです。皆さんの周りにも、そんな人いませんでしたか?彼が、大学で何を勉強するかを決める時が来たとき、「どうすれば自分の描いた絵と、デザインへの愛と、物理学、そしてモノが連携する、という興味を組み合わせることができるだろう?」と考えたそうです。それは彼のお父様とおじい様が、機械エンジニアとして彼に言っていたことに非常に似ているように感じ、自分の考え方もエンジニアとして理にかなっていたように感じたと言います。そんな彼が、SOLIDWORKSで、テクニカルサポートの仕事を始めました。お客様の課題をサポートすることを大いに楽しんだそうです。彼にとって、課題を再現し、お客様がより良い解決策を見つけられるようにすることは、パズルを解くようなものだったとも振り返っています。
現在、Renan Ichi は、Product Portfolio Managementという役職を担っていて、お客様がより早く、よりスマートに設計業務をこなすだけでなく、プラス、創造性を発揮するために必要なツールとワークフローを検討しています。さらに、未来のツールに取り組み、10 年後の CAD について考えています。
そんなRenan Ichiが、3D Sculptor について気に入っている点を以下にご説明しましょう。重要なことは、エンジニアなら絶対に3D Sculptorを気に入るハズだ、という理由です。是非、ご一読下さい。
- サーフェシング機能
まず、大変失礼ではありますが、本投稿をお読みいただいているお客様の環境のことはあまり理解していないことをご理解下さい。経験上、サーフェシング処理をすることにあまりにも多くの時間を費やしてきました。しかし、3D Sculptor は、サーフェス作成を学習する際の障壁を打ち破ってくれました。その意味で、非常に直感的だ、と言えます。サーフェシングのスペシャリストである必要はありません。ほとんどのお客様が、3D Sculptor を使い、押す、引く、曲げるなどの機能を使用して目の前にある固体を直感的に操作することで、必要な形状を得ることができるでしょう。そして、熟練するのにそれほど時間はかからないところが良いのです。
- 境界のないブレインストーミング
今の時代、全く新しい製品の設計を任されることは無いかもしれません。何故なら、SOLIDWORKSのようにパラメトリックモデリングが主流になっているため、既存の設計を軸にパラメトリックに変更を加えることで、ほとんどの製品が成り立ってしまうからです。しかし、パラメトリック手法にも制約はあります。3D Sculptorを使うことで、制約のないブレインストーミングが確立します。3D Sculptor を使用すると、実際の寸法やその他のパラメトリックモデリングの制約を気にすることなく、形状やアイデアを自由に試すことができます。それはまた、自分の「創造性」を試されているようにも感じます。これが、設計者魂を呼び起こすのかもしれません。
- 製造の可能性
これまでの設計は、CADの持つサーフェス作成機能の制約を受け、さらに従来の製造方法によって加工(製造)できるもの、という制限があったと感じます。今、3D Sculptor のような新しいソリューションを使用することで、お客様はデザインの境界を押し広げ、さらに3D プリントという新しい技術に支えられて、ご自身で作成した設計を製造できる選択枝を持ってます。ますます複雑な形状の製品を作成できる環境があります。
- パラメトリック機能
Sub-D モデリング機能に加えて、3D Sculptor には、押し出し、回転、ロフト、スイープ機能など、パラメトリック機能があることが、メカニカルエンジニアの皆さんが3D Sculptorを高く評価している理由です。
- 絵を完成させる
3D Sculptor のもう 1 つの優れた点は、皆さんの先にいるお客様に、まだ製造もされていないモデルの全体像を示したり、マーケティング目的で無いものがあたかもあるかのごとく表現できたりすることです。実際には製造しない、見せる目的のためだけに簡単な操作でモデリングできることは重要ではないでしょうか。例えば、あなたの会社は自転車のフレームだけ設計していて、サドルは設計していないのかもしれません。でも、お客様には、サドル付きの自転車を見せたくはありませんか? 3D Sculptor を使えば、簡単にサドル形状を作成できます。時間をかけたり、パラメーターを気にしたりする必要は無いと思います。
3D Sculptor 以外に、3D Creatorなど、別のロールを持っている場合は、各アプリ内のそれぞれの機能を利用しながら、設計物はそのままに、アプリケーションを切り替えるだけで、設計を完成させることができることも魅力です。
- デバイスを問わない利便性
3D Sculptor はブラウザベースなので、複数のデバイスで使用できます。 皆さんは既にご経験かもしれませんが、リモートで仕事をするようになって子供の世話をしながら仕事をすることが多くなりました。自宅では、どこでも持ち運べるタブレットは重宝します。子供を看ることでモデリング作業を中断したとしても、また、すぐに中断したところから再開できるので不便さがありません。
まだ 3D Sculptor を試していない読者の方がいらっしゃれば、ぜひ一度試してみることを強くお勧めします。 皆さんが思っているよりはるかに多くの機能があります。また、3DEXPERIENCE プラットフォーム上で実行されているので、データ管理やその他の協業環境に適したアプリケーションも利用できます。 お手頃で、利便性の高いソリューションとして、SOLIDWORKS Cloud Offer を利用されることをお勧めします。SOLIDWORKS Cloud Offer には、3D Sculptor、パラメトリック設計用の 3D Creator、およびそれらのアプリケーションとシームレスに連携する多くのソリューションが含まれているからです。
以下は、3D Sculptor、3D Creator、3D Sheetmetal Creator を使用して設計し、3D Render でレンダリングしたモデルです。すべて SOLIDWORKS Cloud Offer で利用できます。SOLIDWORKS Cloud Offerに関する情報は、ここ、からゲットできます。春です。新しいことに挑戦する良い機会ですね。多くのお客様に3D Sculptorの良さをご理解いただければ幸いです。