サーキュラーデザイン:あなたの設計は持続可能性が考慮されていますか?

地球温暖化、大気汚染、埋め立て地(廃棄物問題)、天然資源の枯渇問題など、私達は、これまでの設計方法を見直し、変更することがこれまで以上に重要になっていると言えます。 天然資源の使用割合または使用そのものを減らし、製造と流通に使用されるエネルギー要件を減らし、再利用可能および/またはリサイクル可能な製品を生産しなければなりません。リニアエコノミー、資源を使いリサイクルや再利用することなく廃棄してしまうアプローチ、からサーキュラーエコノミーに移行する必要があります。

社会問題に取り組むエンジニアとして、私達は、このリニアエコノミーの無駄なアプローチをこのまま継続することがでいないことはわかっています。 私達、エンジニアは、製品を設計する「方法」を通じてこれらのグローバルな課題に取り組む機会があり、おそらくそれは、責任と言えるかもしれません。どのように取り組むの...って? エンジニアは、問題の解決者であるべきです。

どうやって始めるか
ソリューションは、私達から始まります。この投稿では、サーキュラーデザインを通じてリニアエコノミーからサーキュラーエコノミー(循環型経済)、廃棄されていた製品や原材料などを資源と考え、リサイクル、再利用などで活用して資源を循環させる経済、に移行する方法について説明したいと思います。 サーキュラーデザインとは、廃棄物や汚染を排除し、自然システムを再生し、製品や材料を可能な限り長く使用することを目的とした、サーキュラーエコノミーの原則を設計段階で適用することです。

まず、線形経済モデルとサーキュラーエコノミーモデルを詳しく見て、理解を深めましょう。

リニアエコノミーvs.サーキュラーエコノミー
まず、リニアエコノミーモデルとサーキュラーエコノミーモデルの理解を深めましょう。

リニアエコノミーの採る(Take)・作る(Make)・消費する(Waste)アプローチでは、地球から天然資源を取り出して製品を製造します。 これらの製品は、多くの場合、再利用やリサイクルの心配なしに、設計、製造、流通、および廃棄物の流れ沿って処分されます。

画像提供:Recycling Council of Ontario to Circular Innovation Council

一方、サーキュラーエコノミーにおける主な目標は、システム全体から無駄を排除し、天然資源の使用を最小限に抑えるか排除し、より長いライフサイクルまたは多目的ライフサイクルを持つ製品を設計および製造することです。
したがって、たとえば、材料を選択するときは、新しい天然資源の代わりにリサイクル材料を使用します。

もう1つの例は、ライフサイクルの最初のフェーズで特定の機能を実行し、元の機能を実行できなくなったときに別の目的に使用できる多目的製品を作成することです。 たとえば、使い捨ての食品パッケージは、再利用可能な保管/電子レンジ対応のコンテナになる可能性があります。また、ゴミ箱はコンポスト(タイ肥用生ごみ入れ)になる可能性があります。 最終的にライフサイクルの終わりに達したとき、それもまたリサイクルできる可能性があります。

いかがですか?理解が深まりましたね。でも、最終的には、考え方そのものを変える必要があることもおわかりかと思います。本当に創造的で革新的な機会とも言えます。

地球平面説信者にならないでください

私達は問題解決者であるだけでなく、独創的な考え方をするイノベーターでもあります。 サーキュラーデザインは、長期的で、有用で、革新的で、環境にやさしい、全体像を念頭に置いた製品、サービス、およびシステムの設計に重点を置いています。

 

以下は、これらの目標を達成するために検討できるその他の事項です。
人的要因:

–ユーザーのニーズを考慮することは、ユーザーフレンドリーで関連性のある設計ソリューションにつながります。 ユーザーが環境保護に応じた行動を好み、それを求める場合、設計者の役割はますます重要になります。

–汚染物質と発がん性物質の削減

影響の少ない使用を目指す:

–排出量を最小限に抑える/よりクリーンなエネルギー源または再生可能エネルギー源を統合する
–エネルギーの非効率性を削減する
–水使用の非効率性を減らす
–材料使用の非効率性を減らす

リサイクル/再利用:

–簡単に修理、手入れできるように設計されており、摩耗または陳腐化した場合に部品を簡単に交換できる

材料の選択:

–再利用とリサイクルの可能性を最大化することにより、環境への影響を最小限に抑えたより良い材料を選択する

サーキュラーデザインが注目を集めています

プラスチック業界などの多くの業界は、すでにサーキュラーデザインとサーキュラーエコノミーを採用しています。 2019年以来、160か国以上から20万人以上の参加者が集うドイツのデュッセルドルフで開催される最大のプラスチックイベントの1つである「K」見本市でも、継続的に議論されてきました。私たちが目にしたのは、世界のトッププラスチック材料メーカーの多くが展示し、この見本市を使用して、持続可能性/サーキュラーエコノミーの目標とイニシアチブを促進していることです。そして今年のK見本市では、サーキュラーエコノミーと気候保護が最も注目されているトピックです。

Covestro(コベストロ)は、サーキュラーエコノミーを優先するプラスチック業界の企業の1つです。Covestro(コベストロ)はハイテクポリマー材料の大手サプライヤーであり、射出成形プロセスのシミュレーションに使用される洗練された高品質のプラスチック材料データを提供することで、ダッソーシステムズと提携しています。

Covestro(コベストロ)のCEOは、以下のように述べています。それからもわかるように、彼らは、私達全てが直面する世界的な課題に対処する上で「プラスチック」こそが、重要になると信じているのです。

「多くの世界的な課題を考えると、プラスチックは真に持続可能な未来を創造し、サーキュラーエコノミーを新しい指針にするために不可欠です。」

現在、すべてのプラスチックの約9%しかリサイクルされていません。しかし、サーキュラーエコノミーと気候保護がプラスチック業界の最重要事項となるため、近い将来、その割合が大幅に増加すると予想されています。

 

なぜ気にする必要があるのでしょうか

なぜ気にしなければばらばいのか?と自問するかもしれません。1つには、あなたは、消費者と環境のためにより良く、より健康的な選択をすでにしているということです。それに加えて、経済的価値があります。 サーキュラーエコノミーへの移行は、経済成長、材料費の節約、雇用創出と材料技術の改善、エネルギー効率の向上、利益の機会、気候目標の達成に大きな可能性を秘めています。そして、これはほんの一部のリストに過ぎません。

Accenture Strategy (アクセンチュアストラテジー)は、従来の採る(Take)、作る(Make)、消費する(Waste)の生産および消費システムからの抜本的な脱却により、2030年までに4.5兆ドルのGDP成長を実現する可能性があると推定しています。

この記事が深い考察に満ち、より環境に優しい製品を開発するための行動の呼びかけとなることを願っています。製品が機能し、見栄えが良くなるだけでなく、持続可能でなければならない時代が来るでしょう。

サーキュラーデザインと持続可能性に関する投稿は、この後も続きます。皆様が、サーキュラーデザインと持続可能性の目標を達成するのに役立ついくつかのソリューションについて説明しますので是非、お立ち寄り下さい。

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