「ものづくり」って何

今更ですが、「業種」とは、事業の種類のことであることはご周知の通りですね。総務省の「日本標準産業分類」では、業種を19に分類しています。実は、「分類不能の産業」という分類があって、「分類不能の産業」を含めると20業種になります。
その分類の中に、もちろん、「製造業」があり、製造業は、さらに20以上の中分類項目を持つ、言うまでもなく、日本を支える産業の1つです。

では、この産業分類は、何のためにあるのでしょう。
Google先生に聞いてみると、統一された基準によって各種産業を適当な同質的グループに統計的に整理することで、産業構造やその変化を把握し,または国際比較などを行うためのものだそうです。この産業分類については、時代の変化と共に、「目的」を変えるべきだとう意見もあり、道理にかなっていて納得できる方法だなぁ、と思える提案も見受けられます。
国際標準産業分類では、① 財、サービス及び生産要素に関するインプット、② 生産プロセスと技術、③ アウトプットの特徴、④ アウトプットの用途、特に、③と④が、分類の重要な要素です。日本の標準産業分類と大きく異なる点とも言えます。

日本の産業分類、製造業の中分類に面白いカテゴリーがありました。「飲料・たばこ・飼料製造業」分類です。「飲料」と「たばこ」と「飼料」が、どうして同じ分類なのでしょう?この3つが1つにカテゴライズされることで、「産業構造やその変化を把握し,または国際比較などを行う」ことができるとは考えられない気がちょっとしてきます。
酒類などの飲料、たばこなど、かつて「三公社五現業」と言われた時代を引きずっているのでしょうか。

話は変わりますが、米国 ネブラスカに、Brehmer Manufacturing という企業があります。
彼らの手掛ける事業は、とてもユニークで、肥料製造と供給設備、豚の飼育用設備、搬送用コンベアーの製造から、トラックフレームなどトラック用機器、さらにはリサイクルタイヤ製造も手掛けています。

彼らは、お客様の満足と、自分達自身だけでなくお客様のビジネスも改善するという意欲、という基盤の上に自分たちがいる、と明言しています。
・世界を養おうとしている農業従事者が、畑に肥料をまくとき、可能な限り効率的に土壌が改善され、かつ責任の持てる野菜が育つことを確実なことにする
・動物が健康で無菌状態を維持しながら、必要な水と飼料を確実に摂取させる
・増え続ける廃棄タイヤを完全にリサイクルする

飼料メーカーから委託され製造していた飼料をお客様に提供していく経験を経て、お客様が求めている「飼料」を開発し、その先にいる「豚」を飼育するための設備の改善にも気づき、さらにトラック機器製造に関わったきて45年以上に渡る経験は、リサイクルタイヤを主たる事業とする企業の考えもつかかなかった方法で環境問題を解決するに至っています。
このような企業は、製造業のどの分類にカテゴライズされるのでしょう。そして「ものづくり」って奥が深いことを実感します。
何か新しい「尺度」が求められていそうですね。

SOLIDWORKS

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