MESって何？どうしてMESが必要なの？

投稿：

製造業は信じられないほど多くの多様な技術であふれています。デジタルトランスフォーメーション、インダストリー4.0、および産業用モノのインターネット（IIoT）の原則と方法論は、世界中の大きな原動力になっています。実際、第4次産業革命で生き残るために世界市場をターゲットにした競争は既に始まっています。製造実行システム（MES）ソリューションをご存じですか？そして、それはどの議論に当てはまるのでしょうか？

人手不足やデジタル対応の遅れなどから、日本のものづくりは危機に立たされていると言われています。こうした中で、注目を集めているのが「MES（Manufacturing Execution System：製造実行システム）」です。MESを正しく導入すれば、工場の生産ラインの各製造工程と連携し、原材料から完成品へと変換していくプロセスを追跡および文書化することによって、日本の強みでもある熟練技術者のノウハウ「匠の技術」をデータ化することさえ可能になる、というものです。

MES（Manufacturing Execution System：製造実行システム）とは、製造工程の把握や管理、作業者への指示や支援などを行う「製造実行システム」のことを指します。MESとは、広義で生産管理システムの一つと考えられますが、工場の生産ラインの各製造工程と連携できることが最大の特長です。作業手順管理、入荷・出荷管理、品質管理、保守管理などの機能があり、その機能すべてを用いるのではなく、必要に応じてその機能を利用するのが一般的です。

また、MES無しで、第4次産業革命に勝つことは不可能だと言われています。そしてその理由は明らかです。なぜならMESが、製造オペレーションにおける、見える化、情報、および目的に到達するための経路をリアルタイムで提供してくれるからで す。徹底したコスト管理と生産現場の効率化による生産性の向上が、製造業の強みです。生産性を高めるためには、人、設備、時間と言った生産資源を、状況に合わせて最適化する仕組みをつくることが重要です。そのための情報管理を行うのが「MES」であり、この情報の「見える化」はとても重要です。ことが発生した時にビジネスリーダーが行動を起こすことは言うまでもありません。が、経営陣から指摘された場合、または事後報告であっても、ビジネスリーダーが行動を起こすことのできるパフォーマンスや、効率性、容量の問題、または品質に関わるデータを提供できることが重要なのです。

ここで言う「情報」には以下のものが含まれます。

・ 機械/作業セル/生産ラインのパフォーマンスメトリクス
・ OEE –設備総合効率
・ 品質/欠陥/手直し
・ スクラップ/廃棄物
・ 収量
・ 在庫/原材料レベル
・ 納期に関する情報
・サプライヤーの品質
などなど…

リアルタイム情報の価値を説明する簡単な例を挙げてみましょう。
お客様から、特定する日までに、製品の「X」量の見積もりを依頼されたとしましょう。あなたの会社では、時間どおりに製造および納品できるかどうかをどのように確認できていますか？　正確で競争力のある見積もりをお客様に提示できるためには、何を知っておく必要がありますか？

製品の正確なコスト、在庫基準、現在のスケジュール、および製造能力の4つの領域から考えてみましょう。

製品の正確なコスト

ほとんどの製造業者は、標準原価モデルで事業を運営しています。標準コストをわずか5％過小評価すると、通常、年間2,000万ドル(約22億円)のビジネスに対し、最大700,000ドル(約7,700万円)のコストがかかると言われています。そして、MESがなければ、製品を製造するための実際のコストを正確に評価することは困難なのです。

MESは、以下に示すような情報を追跡することによって実際のコストを決定するための重要な最新情報を提供します。

・ 原材料の消費
・ スクラップ
・セットアップ時間とマシニング時間
・ 生産率
・ 労働力

 

在庫水準

原材料と完成品の正確な会計処理は、製造業において最も困難で影響力のある分野の1つです。DELMIAWorksのアプローチは、原材料、需要、消費、およびWIP(Work in Progress)の状況の可視化を実現します。材料が倉庫にあるか、ワークセルにあるか、出荷ドックにあるかにかかわらず、原材料から完成品へとなる間の在庫が追跡できます。

現在のスケジュールと製造能力
ジョブは現在のスケジュールに適合し、特定の日付までに作成できるのでしょうか？製造能力とは、生産できる量全体を決定し、機械/設備に関する3つの重要な要素によって決定されます。

・ 稼働率(生産効率を阻害する停止ロスの大きさ：時間稼働率)
・ 品質(不良ロスの大きさ)
・性能(性能ロスの大きさ)
設備総合効率（OEE：Overall Equipment Effectiveness）は、製造能力を決定する際の重要な指標であり、次の式を使用して計算されます。

稼働率　ｘ　品質　ｘ　性能＝ OEE

稼働率
製造時間中に機器を生産できる時間の割合。故障、段取りや調整、刃具交換などによる停止ロスを除く、機器の稼働率。計画的および計画外のダウンタイムの指標となります。

品質
機器の稼働中に製造された良好な部品の割合。

性能
期待される性能または理想的な性能と比較した性能の割合。

機器が1時間あたり100パーツを生産すると評価されている場合、100％、80％または65％、実際に生産されているのは何％ですか？ 製造能力を測定していない企業の平均OEEは、わずか40%です。 「ワールドクラス」における、OEEの値は85％にもなります。

MESを実装し、OEEを可視化することで、企業は既存の機械、床面積、および人員を適切に配置することで、文字通り製造能力を2倍にすることも不可能ではありません。

最後に
MESが、デジタルトランスフォーメーション、デジタルマニュファクチャリング、およびインダストリー4.0の重要なコンポーネントであることをご理解いただけましたでしょうか。MESから提供されるリアルタイムデータを使用してビジネス上の意思決定を推進する企業は、明らかに有利です。あなたの会社のOEEを知ることは、お客様主導の目標を達成し、それを超える方法を提案することができます。
MESとは何ですか？なぜそれが必要なのですか？答えは、こうです。
「MES。それなしではもう市場での競争ができない、製造業の情報可視化ツール」

DELMIAWorks製品についてのお問合せは、こちらからどうぞ。
また、以下のバナーをクリックして、MESの世界をのぞいてみませんか？(英語サイト)

 

SOLIDWORKS

SOLIDWORKS

Dassault Systemes SOLIDWORKS Corp.は、データの作成、シミュレーション、管理、テクニカル　コミュニケーション、電気設計、ビジュアリゼーション、コラボレーションを行い、エンジニアリング リソースの革新と生産性を達成するための完成されたソリューションを提供しています。