2次元CADでは不可能な9つのこと

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確かに、 2次元設計ツールでも十分に満足できると思います。何年もかけて 2次元設計ツールを使いこなせるようになったのに、まったく新しいツールで生産性を上げるために、習得に時間をかけ、そのために発生するダウンタイムに対処してまで 3次元CAD ツールに移行する理由とは何でしょうか。結局のところは、「壊れていなければ、直すことはない」と考えているのではないでしょうか。

実際には、これまでの 2次元設計ツールよりも優れた設計が迅速にでき、長期的にコストを抑えることができるようになるのです。2次元CAD だけに固執していると、製品設計の迅速化や、競合他社より優位に立つこともできる、強力なメリットを逃がすことになります。

設計サイクルの短縮、製造プロセスの合理化、関係者とのコミュニケーションの強化、迅速な製品展開などのメリットに加え、3D を習得するための先行投資は他部門に対しても大きなメリットをもたらします。おそらく最も重要なのは、3次元CAD の導入により、エンジニア本来の仕事、すなわち設計とイノベーションにかける時間が増えるという点です。

まだ、納得できませんか。では、既存の 2次元CAD ツールでは実現が難しい 9 つのポイントを紹介しましょう。

  1. 迅速かつ確実な承認
    製品開発初期のハードルとなるのが、経営陣や顧客から必要な承認を得ることです。開始から手間取るわけにはいきません。概念設計を 3D で視覚化またはアニメーションにすることで、技術者以外にも複雑な設計を簡単に理解してもらえるので、承認が迅速かつ確実に得られます。
  2. 迅速かつ確実な変更
    エンジニアにとって設計変更は日常的によくある仕事の1つです。3次元CAD では、変更が必要になるたびに多くの図面ビューを手作業で更新する必要はありません。設計データが関連付けられているので、どこで使われている部品でも、すべての変更がアセンブリに自動的に反映され、設計変更のスピードアップとエラーリスクの軽減につながります。
  3. 立体的に動作を確認する
    組み立てた後にアセンブリの構成部品がどのように動いて相互に作用するのか、干渉や衝突を確認したい場合があります。しかし 2次元図面だけでは、ベテランのエンジニアであっても干渉検出に時間がかかり、気の抜けない難しい作業の1つとなります。3次元CAD では、干渉チェックを自動に行うことができます。モデルを動かして部品間で衝突をチェックすることもできます。
  4. 最適化する
    優れたエンジニアは絶えず「もし~だったら」という問いかけをします。この問いの答えが、現在では PhD や博士号がなくても簡単に見つけることができます。完全統合された高度な分析ツールを使って、動作、部品に対する応力、振動、熱の流れ、温度の影響による作用を計算できます。これらの環境要因のシミュレーションは、製品に重大な問題が発生する前に、設計の欠陥を見つけて、問題を特定する上で不可欠です。
  5. 再利用する
    実際のところ、ほとんどの「新」製品が旧製品の改版なので、既存の設計を活用または再利用することも重要です。部品や構成要素を 3D 化すると、既存の製品に手を加えて新しい構成やバージョンを簡単に作ることができます。部品をクリックして寸法を変更するだけで、関連するすべてのジオメトリのサイズが自動的に変更されるのです。
  6. コラボレーション
    デザインレビューの関係者には、マーケティング、セールス、財務、物流など、技術分野以外の多くのメンバーも含まれることがあります。これらのメンバーと 2次元図面だけで作業をすると、誤った理解やミスが生じます。簡単に操作 (回転、パン、ズーム、測定など) できる 3D モデルを共有して設計のコラボレーションを促進すると、製品の機能がわかりやすくなるので、それぞれが必要かつ適正な情報を共有することができます。
  7. 入札に勝つ
    要件対応に製品の 2次元図面を使っているとしたら、多くのビジネス チャンスを逃しているはずです。情報を 3D 形式で得たいと考えている企業がますます増加しているのが現状です。製品を 3D イメージとアニメーションで伝えると、潜在的な顧客は、製品を詳細に理解できるだけでなく、設計チームが最新の 3次元設計ツールを使っているという安心感を得ます。
  8. SolidWorks2014LaunchImage使用方法、組み立て方法、トラブルシューティング方法を伝える
    製品が複雑化するにつれ、顧客は企業の Web サイトを利用して、製品に必要な「ハウツー」サポート情報を見つけることが多くなっていきます。わかりにくい 2D スケッチで期待を裏切ってはなりません。3Dのパブリッシング ツールでは、アセンブリ モデルを素早く簡単に「展開」して、製品の内部構成部品の分解図やアニメーションを作成し、ユーザーに製品の使用方法、組み立て方法、トラブルシューティング方法をわかりやすく示すことができます。
  9. 印刷する
    3次元CAD ファイルを使用すると、単品モデル、試作品などを簡単に「印刷」でき、試作品コストを削減して、部品を迅速に入手できるようになります。材料と 3D プリンターともに価格が下がってきているので、中小規模の企業でもこのテクノロジーを導入しやすくなっています。

結論として、多くの 2D ユーザーが不安に思うほどではなくても、3次元CAD には確かに学習が必要になります。短期的には生産性が落ちるかもしれません。しかし、嬉しいことに、そのトンネルの先は明るく、3次元CAD を習得することで、より優れた仕事、エンジニアとして最も大切な設計に集中できる統合ツールの世界が開けます。

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吉田 聡

吉田 聡

マーケティング部 ポートフォリオ イントロダクション スペシャリスト