宇宙エレベーター協会【GSPECキックオフ】

SOLIDWORKSユーザーの「一般財団法人 宇宙エレベーター協会」様の新しい取り組み「GSPEC」のキックオフミーティング(3月2日 国際フォーラム)に参加しました。「宇宙エレベーター協会」は、SFの範疇とされていた「宇宙エレベーター」の実現に向けて、2006年に大野会長が立ち上げました。宇宙エレベーター実現には、さまざまな課題があるなか、我々ソリッドワークス・ジャパンも実現に向けて、2012年から学生向けのソフトウェア提供などで協力せていただいています。また、SOLIDWORKS WORLD 2016では日本人として初めてジェネラルセッションでスピーチしていただきました。

ミーティング第1部では「宇宙社会 -宇宙エレベーターが運用されるようになった時代-」をテーマにパネルディスカッションが行われました。パネリストには、アニメ監督、演出家でガンダムの作者である富野 由悠季氏、宇宙飛行士で宇宙政策委員会 委員の山崎 直子氏、九州大学名誉教授、元国際宇宙航行連盟副会長の八坂 哲雄氏、東海大学 清水教養教育センター/理学部 講師で小説「ローンチ・フリー」で2016年星新一賞グランプリ受賞した佐藤 実氏と多岐にわたる分野で宇宙に関ってこられた方々に大野会長が加わり、コーディネーターとして朝日新聞厚生文化事業団の久保田 裕氏の進行で宇宙エレベーターに関する意見が述べられました。大野会長からお誘いを受けたときは、宇宙エレベーター実現に向け、工学的、技術的な検討会のようなものを想像していて、自分が聞いてどこまでわかるだろう?と少々心配していたのですが、第1部では、専門知識のない私でも理解できるような言葉で宇宙エレベーターで実際人類が宇宙に行くようになったら、どいういうメリットが人類にあるのか、デメリットは何か、宇宙に私たちがいくためには何をしなければならないのかといった宇宙と人類の思想的、哲学的なお話もあり、宇宙にエレベーターで行くなんて、ロマンがあっていい!と単純に思っていたのですが、そこにたどり着くために、私たちには技術的なものだけでなく、思想、倫理、法律といった面でも越えなくてはいけない障害がたくさんあることを知りました。

第2部は実際に宇宙エレベーターに技術提供されている大学・企業の技術者の方々で、「宇宙社会 ―実現のための道筋とGSPEC―」というテーマでディスカッションが行われました。宇宙エレベーター協会様の活動に1つである「宇宙エレベーターチャレンジ(SPEC)」という協議会を2009年から実施されています。係留気球からのケーブルを宇宙エレベーターのケーブルに見立て、そのケーブルを昇降するクライマー(昇降機)の「スピード」・「エネルギー効率」・「重量」などを競います。2009年に150mで始まった競技ですが、2014年には1200mを超えるケーブルでの昇降に成功しました。そこで、この協議をさらにグレードアップし、宇宙エレベーターでロボットを運搬し、上空で射出させ、地上まで降下し、着地できるロボットの制作を種目に追加「GSPEC」としてチャレンジするということです。
この実現に向けて、日本大学理工学部の青木 義男教授、神奈川大学工学部の江上 正 教授、静岡大学工学部の山極 芳樹教授による宇宙エレベーターに関する研究の状況、(有)オービタルエンジニアリング 代表取締役であり次世代宇宙システム技術研究組合 代表理事でもある山口 耕司様からは、GSPecで30km地点でケーブルをつるすためのヘリウムバルーンについての現状のお話があり、技術的には実現に近づいているようです。

今回のミーティングでは、宇宙エレベーターの実現に肯定的な意見の方ばかりでなく、疑問をお持ちの方も参加されていました。でもその疑問をクリアしていけば、本当に人類がエレベーターで宇宙を行ったり来たりして、宇宙から資源を運んだり、宇宙に住んだりということもSFではないんだという「宇宙エレベーター」を応援する声に聞こえました。技術的、思想的、法的等さまざまな課題は、すぐに答えが出せる問題ではないかもしれませんが、SOLIDWORKSで設計した宇宙エレベーターが地球と宇宙を行ったり来たりするのを是非見たいですね!

 

SOLIDWORKS Japan

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