自らのイマジネーションを無駄なく、素早く形にして提供することがテーマ!

ソリッドワークス・スタッフ、代理店参加者、それぞれの視点からSOLIDWORKS WORLD 2017を紹介してまいりました。最後は、日本のユーザーとして参加された「エムケー精工株式会社」オート機器事業本部 オート開発部 設計一グループマネージャー 酒井 陽三さまにレポートしていただきます。今回がSWW初参加だった酒井さまですが、イベントに参加している酒井さまの興奮が伝わるような、読み応えのあるレポートをお楽しみください!

ゼネラルセッション
毎朝8:15から10:00までゼネラルセッションが開催される。噂には聞いていたが開場前から⼊り⼝には⻑蛇の列ができ、ゲートが開くと満⾯の笑みを浮かべたユーザーが我先にと駆け出す。本当に楽しそうである。初⽇は「Age of Experience 」をキーワードにユーザーの事例を紹介。⼿品⽤⼩道具メーカーIllusion Projects inc.の丸ノコでCEO ジャン・パウロの⾸が!!こんなことに付き合ってくれる社⻑がいたら楽しいと思う。

三⽇⽬には、SOLIDWORKS Ecosystem について。新しいポートフォリオ、Skit(⼨劇)を交えたSOLIDWORKS 2018 バージョンの新機能が紹介された。(紹介された新機能は必ず実装されるとは限らない)

⼤規模アセンブリ
SOLIDWORKS 2018 では⼤規模アセンブリのパフォーマンスが⼤幅に向上するらしい。個⼈的にはこれが最⼤の関⼼事である。説明によればグラフィクス機能で絵だけを表⽰してメモリとパフォーマンスを改善。編集作業を⾏うためには「Resolve」コマンドで設計情報を最⼩限読み込み時間の浪費を防ぐのだという。従来のライトウェイト機能を発展させたものだと思われるが⼤規模アセンブリのパフォーマンスを本当に改善してくれるのであればこれに勝る喜びはない。
エンハンス・ディスカッションのエンジニアから得た情報によれば、この⼤規模アセンブリのパフォーマンス改善はバージョンアップ時にも恩恵を受けられるという。⼤きなアセンブリは、ファイルを開く途中でハングアップするなどしてバージョンアップ作業は遅々として進まないのだが、これが改善するとなれば⼤変喜ばしい。2017 もSP4 からパフォーマンスに関する機能改善が盛り込まれる可能性があるようなので、2017 へのバージョンアップをお考えの⽅はSP4 を待ったほうが良いかもしれないそうだ。
トポロジー最適化
SOLIDWORKS 2018 では部品形状の最適化技術も導⼊されるらしい。同様の技術は「Hirameki Works」として構造計画研究所からも発表されており、トレンドになっているようだ。設計→検証→設計→検証という従来のルーチンは時代遅れとなり、境界条件を⽰せばいきなり最適設計が完了してしまう。更にnTopology 社の微細格⼦化技術と⾦属3Dプリンタを組み合わせれば、軽量で美しく必要⼗分な強度を持つ製品がたちまち完成する。そういう時代がすぐそこまで来ているのかも。Abaqus ベースの⾮線形解析Simulation Engineer も加わり、解析製品群はより⼀層の充実が期待される。その他、PDM に追加される予定の進捗管理機能も⾮常に気になった。リリースが待ち遠しい。

セッション
今回の会期中午後は、250以上の様々なセッションが開かれた。三⽇間で10コマ程度受講できるが、よりどりみどりで選ぶのが⼤変である。
「SOLIDWORKS Tips and Tricks 2017 (Advanced Essentials)」は、今回の⼤当りセッション。サンディエゴユーザーグループのリーダーPhil Sluder ⽒によるTips 講座。この⼈はかなりの有名⼈らしく500 ⼈を超える聴衆で⼤盛況であった。「あんたのTips を⽇本でも是⾮共有させてくれ」とお願いしたところ快く了承してもらえた(と思う)ので今後展開していきたい。
他にいくつかシミュレーション関連セッションを受講した。アメリカでは話の途中でも躊躇なく質問がバンバン⾶び出す。シミュレーションに対するアプローチには⽇本との違いを感じた。⽇本では構想段階のアタリ計算から始まり、設計と検証を繰り返しながら詳細設計の完成を⽬指すというルーティーンが主流になっているように思う。しかし、今回のイベントではそうした話は皆無だった。あるセッションでは完全に詳細設計が完了しているユニットを持ってきて、「これを解析できるようにデフォルメする⽅法について説明します。メッシュは⼀次要素を使います。接触はすべてボンドにしちゃいます。精度は粗いし実際の現象とは違うけどそんなことはわかってるぜイェイ!」みたいな感じだった。そもそも主鋼材の基本剛性が不⾜していたら全てが⽔の泡じゃないかと思うのだがそういうことは気にせず、つべこべ⾔わずにできることをやってみると⾔うアメリカンなノリ。嫌いじゃない。

⽇本との違い
この⽬で⾒るまでSOLIDWORKS WORLD とはSOLIDWORKS WORLD JAPAN の拡⼤版なのだろうと考えていたが、規模の違いではなく世界の捉え⽅が根本的に違うのだと感じた。⽇本のものづくり系イベント・セミナーでは今も昔もQCDの話が多い。しかし、それらが前提としている範囲はごく狭い内々の利害関係者だけに⽬を向けたものではないだろうか。
⽶国ではCommunity、Ecosystem という⾔葉を繰り返し使う。その⾔葉の⽰すところは地域、組織、セクションの壁はなく、敵味⽅に⾊分けすること無く、産業界全体で健全な競争をしながら発展していこうと⾔う⾵に聞こえて来る。それは極端な理想論かもしれないが⽇本ではとても得難い感覚だ。
検討に継ぐ検討、管理に継ぐ管理で⽯橋を叩いて渡る⽇本。ともするとウダウダ⾔っているだけで中々ことが前に進まない⼤企業病と⾔われてしまう。SOLIDWORKS WORLD に参加していると彼の地の⼈々は⾃らのイマジネーションを無駄なく(No Wasting Time)、素早く(Fast)形にして提供することがテーマなのだと感じる。そのためのトポロジー最適化であり、3Dプリンティング技術の進歩であり、こうした技術が進むと⽇本の従来⼿法ではとても太⼑打ちできないスピードで世界は進んで⾏くのだと危惧してしまう。負けていられない!

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